FC2ブログ

我が心の底の光  貫井徳郎   



我が心の底の光

我が心の底の光
著者:貫井徳郎
価格:1,620円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2015年1月発行 双葉社 292p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

八〇年代のこの国に生を享けながら、豊かさとは無縁に、飢えて育った峰岸晄。感情を殺して生きる晄の、心の底に差す光は何なのか?全編を覆う「無温の世界」。身を震わせるラストの衝撃!胸を撃ち抜く傑作長編!

【感想】

   淡々と語られる晄の凄惨な人生。

   この子が育った環境に胸がつぶれる思いがし、
   この子はなぜこんなことををするのだろうと
   悲しく腑に落ちない思いで読んでいました。

   最後に明かされた真実に
   そういうことだったのか、と。

   そこにしか光がなかったのね。

   しかし、実際に起きた事件を髣髴とさせるなあ。
   この子のしたことは
   逆恨みなんじゃないかと思ったりして。
   でもそう思わないと生きていけなかったんだろうなあ。
   はあ。ぐるぐる。

スポンサーサイト



私に似た人  貫井徳郎   


私に似た人

私に似た人
著者:貫井徳郎
価格:1,944円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2014年4月発行 朝日新聞出版 431p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

小規模なテロが頻発するようになった日本。ひとつひとつの事件は単なる無差別殺人のようだが、実行犯たちは一様に、自らの命をなげうって冷たい社会に抵抗する“レジスタント”と称していた。彼らはいわゆる貧困層に属しており、職場や地域に居場所を見つけられないという共通点が見出せるものの、実生活における接点はなく、特定の組織が関与している形跡もなかった。いつしか人々は、犯行の方法が稚拙で計画性もなく、その規模も小さいことから、一連の事件を“小口テロ”と呼びはじめるー。テロに走る者、テロリストを追う者、実行犯を見下す者、テロリストを憎悪する者…彼らの心象と日常のドラマを精巧に描いた、前人未到のエンターテインメント。

【感想】

   小口テロが頻発する日本に生きる10人と
   その小口テロの真相。

   彼らが
   社会的弱者に優しくない日本の社会に対して
   どのように思い、行動したかにひきこまれて
   一気に読みました。

   お前はこの社会に対してどう感じるのかという問いを
   突き付けられたような思いが残ります。

北天の馬たち  貫井徳郎   



横浜・馬車道にある喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、二階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことに。しかし、皆藤と山南はある人物を陥れるための計画を秘めていることが明らかになり……。

北天の馬たち

北天の馬たち
著者:貫井徳郎
価格:1,575円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2013年10月発行 角川書店 325p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

毅志は、横浜の馬車道近くで、母親と共に喫茶店「ペガサス」を営んでいる。ある日、空室だった「ペガサス」の2階に、皆藤と山南というふたりの男が探偵事務所を開いた。スマートで快活な彼らに憧れを抱いた毅志は、探偵仕事を手伝わせてもらうことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱きはじめる…。

【感想】

   横浜馬車道の喫茶店の2階に
   探偵事務所を開いた男2人を手伝う
   若い喫茶店マスター。

   二つの事件を手伝って
   マスターが感じた違和感の行きつく先は。

   男同士の友情にグッときた。

   横浜の有名な各所が舞台になっているので
   風景を思い浮べながら読むのも楽しい。

   この本を読んでいると
   美味しいコーヒーが飲みたくなりますね。

ドミノ倒し  貫井徳郎   



「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」探偵・十村の元に舞いこんだ美女からの依頼。しかし事件に触れると別の事件に行き当たり、さらなる別の事件を呼び起こす……。

ドミノ倒し

ドミノ倒し
著者:貫井徳郎
価格:1,680円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2013年6月発行 東京創元社 298p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ひとつの事件が別の事件を呼び起こし芋づる式に掘り出される死体!死体!!死体!!!いったい何が起きているんだ!?油断大敵・貫井流ユーモア私立探偵小説。

【感想】

   故郷の街・月影で
   殺人事件の捜査を頼まれた私立探偵・十村。

   ハードボイルドを気取っているけれど
   弱腰で捜査も的外れ。

   それなのに他の殺人事件とも関連でてきて、
   おいおいどうするんだ、大丈夫かいと
   その不甲斐なさを楽しみながら読んでいたら、
   まさかの結末にぞぞっ。

   こんな街があったら怖いね。

   「正義」という言葉が
   独り歩きした結果なんだろうか。

   十村と
   十村の幼馴染の警察署長の
   その後がはげしく気になります。

微笑む人  貫井徳郎   



微笑む人

微笑む人
著者:貫井徳郎
価格:1,575円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2012年8月発行 実業之日本社 281p

【内容情報】

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。
犯人の仁藤は世間を騒がせ、ワイドショーでも連日報道された。
この事件に興味をもった小説家の「私」は、ノンフィクションとしてまとめるべく関係者の取材を始める。
周辺の人物は一様に「仁藤はいい人」と語るが、一方で冷酷な一面もあるようだ。
さらに、仁藤の元同僚、大学の同級生らが不審な死を遂げていることが判明し……。
仁藤は本当に殺人を犯しているのか、そしてその理由とは!?

貫井氏が「ぼくのミステリーの最高到達点」と語る傑作。
読者を待つのは、予想しえない戦慄のラスト。

【感想】

   妻子を殺した不思議な動機を語る
   エリート銀行員の仁藤。

   小説家が取材すると過去の不審な出来事が次々と見つかる。

   周囲の語る仁藤の印象は実像か虚像か。
   ストーリーの展開と微笑む仁藤に寒気。
   そして結末が想像の彼方。

   色々な意味で怖い小説でした。

新月譚  貫井徳郎 

突然筆を折ったベストセラー作家・咲良怜花。執筆復活を願う編集者に対し怜花が告白した衝撃の物語。甘美で残酷な究極のラブストーリー。


新月譚

2012年4月発行 文藝春秋

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だったー。

【感想】 

   読後、こういうお話だったのかと改めてびっくり。
   ミステリーだと思い込んでいたので。

   560pの分厚さだが
   短いセンテンスがぐいぐいとこちらに迫ってくるので、
   テンポ良く読めた。

   8年前に絶筆した女性作家の内面。
   新月は見えないけれどそこに確かにあった。

   女性作家はどうして小説を書き始めたのか、
   どうして作風が変わったのか、
   どうして筆を折ったのか。

   それら全てに関わる一人の男性。
   その男性との恋愛は苦しいことの連続だったけれど、
   彼と巡り合えたことは
   彼女にとって幸せだったと思いたい。

   小説を書く手法や編集者との付き合い、
   なども盛り込まれていて興味深かったです。
   怜花(=女性作家)の書いた小説を読んでみたいです。

灰色の虹  貫井徳郎   ☆   




灰色の虹

2010年10月発行 新潮社 549p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

身に覚えのない殺人の罪。それが江木雅史から仕事も家族も日常も奪い去った。理不尽な運命、灰色に塗り込められた人生。彼は復讐を決意した。ほかに道はなかった。強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。七年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されていく。ひとりの刑事が被害者たちを繋ぐ、そのリンクを見出した。しかし江木の行方は杳として知れなかった…。彼が求めたものは何か。次に狙われるのは誰か。あまりに悲しく予想外の結末が待つ長編ミステリー。

感想

   ずっしりと読み応えのある一冊。

   冤罪で有罪となった江木雅史。
   彼を冤罪に追い込んだ刑事・検事・弁護士・・・
   が次々と殺されていく。

   ささやかな幸せを手に入れようとしていた
   江木雅史を不幸のどん底にたたき落とした 
   非道な捜査・取調べ・裁判の様子と
   
   刑事・検事・弁護士・・・の
   今の様子とその最期を
   交互に描く中で

   江木雅史とその家族の 無念と哀しみが
   ひしひしと重く伝わってきました。

   江木を次第次第に追い詰める
   捜査の行方からも眼が離せず
   分厚い本なのに ページを繰る手を止められませんでした。

   ラスト近くの彼女の叫びに
   答えられる人はいるのでしょうか。

   終章の江木雅史と由梨恵の様子に
   なんとも空しい、やりきれない思いがします。

   読み終わって打ちのめされた一冊。
   普段は このような読後感の本はあまり好きではないのですが
   この本のもつあまりの力に完敗。   

明日の空  貫井徳郎   

10年ぶりの書き下ろし!ミステリ長編。日本で新たに高校生活を始めた帰国子女の栄美(エイミー)。淡いときめきも別れの痛みも、いつかは青春の思い出になるはずだった。だが後に知ったのは・・・貫井徳郎が青春小説に仕掛けた「驚き」とは!?


明日の空

2010年5月発行 集英社 170p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

両親は日本人ながらアメリカで生まれ育った栄美は、高校3年にして初めて日本で暮らすことに。「日本は集団を重んじる社会。極力目立つな」と父に言われ不安だったが、クラスメイトは明るく親切で、栄美は新しい生活を楽しみ始める。だが一つ奇妙なことが。気になる男子と距離が縮まり、デートの約束をするようになるが、なぜかいつも横槍が入ってすれ違いになるのだ。一体どうして─?栄美は、すべてが終わったあとに真相を知ることになる。

感想

   びっくりした~。
   最初は栄美の物語。次は男子大学生の物語。
   そして最後にまた栄美の物語。
   
   最初と2番目の章の間に 特につながりもなく
   自分で話をつなげて読むしかなかったのですが
   そのつながりは 最後の章で明らかになります。
   そこで びっくり~。
   
   気持ちよく驚かされた青春小説でしたが
   最後は残念。
   別の結末であればよかったのに、と思うのは
   わがままでしょうか。
  

後悔と真実の色  貫井徳郎   


後悔と真実の色

2009年10月発行 幻冬舎 509p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。若い女性を襲い、死体から人指し指を切り取る連続殺人魔「指蒐集家」が社会を震撼させている。警察は、ネットでの殺人予告、殺害の実況中継など犯人の不気味なパフォーマンスに翻弄され、足がかりさえ見えない。その状況下、捜査一課のエース、西條輝司はある出来事を機に窮地に立たされていた─。これは罠なのか?被害者たちにつながりはあるのか?犯人の狙いは何か?緻密な構成で不器用に生きる男たちを活写する傑作長編。

感想

   すごく濃い作品。読み応えがありました。
   警察の個性的な面々の奮闘と
   「指蒐集家」とのたたかい。

   警察は 個性的な面々がそろい
   それぞれに思うところがあり
   一枚岩ではない。

   そんな中 エースと目される西條は
   自分の信じる捜査を続けるが
   その態度にいらいらさせられる同僚も多く
   それが結果として西條を窮地に追い込む。

   警察それぞれのメンバーが 事件を追う描写は
   いろんな見方を与えてくれて
   ストーリーに深みを出してくれていると思いました。

   事件は解決に向かうと共に
   西條の身の回りは不穏な動きを見せていくのですが
   最後は なんともやるせないです。
   西條の最後の独白 もっと早く気付いていれば・・・と
   もどかしい思いを抱きました。

      

乱反射  貫井徳郎 ☆    


乱反射

2009年2月発行 朝日新聞出版 516p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

幼い命の死。報われぬ悲しみ。遺された家族は、ただ慟哭するしかないのか?良識派の主婦、怠慢な医師、深夜外来の常習者、無気力な公務員、尊大な定年退職者。複雑に絡み合うエゴイズムの果て、悲劇は起こった…。罪さえ問えぬ人災の連鎖を暴く、全く新しい社会派エンターテインメント。

感想

   読み終わって ぞわぞわとした居心地の悪さを感じました。

   旅行に出る時に 家の生ゴミを
   高速道路パーキングエリアのゴミ箱に捨てる人がいる
   自然保護と信じて 街路樹の伐採反対を思い立ち 
   街路樹調査を邪魔した人がいる
   犬の散歩中に フンの後始末をしない人がいる
   救急担当医師なのに自分の専門外だからと 患者を断る人がいる
   普通の風邪なのに 通常の診療時間帯では混んでいるからと  
   夜間外来で受診する人がいる
   つまらないプライドにこだわって フンの始末を放棄した人がいる
   車の運転が苦手で 道路の真中に車を置いてきた人がいる
   姑と嫁の不和を 取り合わない人がいる
   精神的な問題から 一本の木の調査をしなかった人がいる

   ひとりひとりは ささいなことだと思っていても
   自分にはそうする理由があるからと 言い訳していても
   それらが積み重なるとどうなるか・・・
   ここまで極端なことはないでしょうが
   現実社会でも ありえそうなことで 考えさせられました。
   とりあえず 私はフンを始末しなかった「ジジイ」は許せませんね。