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球道恋々  木内昇  ★   



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球道恋々 [ 木内 昇 ]
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2017年5月発行 新潮社 544p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

金なし、地位なし、才能なしーなのに、幸せな男の物語。時は明治39年。業界紙編集長を務める宮本銀平に、母校・一高野球部から突然コーチの依頼が舞い込んだ。万年補欠の俺に何故?と訝しむのもつかの間、後輩を指導するうちに野球熱が再燃し、周囲の渋面と嘲笑をよそに野球狂の作家・押川春浪のティームに所属。そこへ大新聞が「野球害毒論」を唱えだし、銀平たちは憤然と立ち上がるー。明治球児の熱気と人生の喜びを描く痛快作。

【感想】

   よかった~!

   明治39年、
   母校一高の野球部コーチとなった銀平を中心とし、
   野球に打ち込む様々な年代の人たちや、
   銀平の家族友人たちを描いた長編。

   野球に対する情熱、
   またその野球を通じて人生を、
   ユーモラスかつ真摯に語る。
   すごく「上質」という言葉が似合う。

   銀平は一高時代は野球部補欠で、
   家の稼業を継ぐために東京帝大入学をあきらめ、
   けれどその稼業に適性がなく、
   小さな新聞社に勤めている、といった、
   一見うまくない人生の主人公なんだけど、
   なんだかんだと人望があって、
   なんかいい味なんだなあ。

   一高の練習と試合、
   社会人チームの結成と試合、
   あるいは家族の話など、
   エピソードも盛りだくさん。

   544ページという長編ですけれど、
   飽きることなく読みました。

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光炎の人(上・下)  木内昇   

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2016年8月発行 角川書店 上・400p 下・384p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

時は明治。徳島の貧しい葉煙草農家に生まれた少年・音三郎の運命を変えたのは、電気との出会いだった。朝から晩まで一家総出で働けども、食べられるのは麦飯だけ。暮らし向きがよくなる兆しはいっこうにない。機械の力を借りれば、この重労働が軽減されるはず。みなの暮らしを楽にしたいー。「電気は必ず世を変える」という確信を胸に、少年は大阪へ渡る決心をする。

大阪の工場ですべてを技術開発に捧げた音三郎は、製品化という大きなチャンスを手にする。だが、それは無惨にも打ち砕かれてしまう。これだけ努力しているのに、自分はまだ何も成し遂げていない。自分に学があれば違ったのか。日に日に強くなる音三郎の焦り。新たな可能性を求めて東京へ移った彼は、無線機関発の分野でめきめきと頭角をあらわしていく。そんなある日、かつてのライバルの成功を耳にしてしまいー!?

【感想】

   読むのに体力のいる本だった。
   そして読み終えて心を抉られた。

   機械をきらきらした眼で見ていた
   明治の純朴な少年が
   電気と出会い、無線と出会い、
   明治・大正・昭和の社会が戦争に向かう中、
   どんどん変容していく様に。

   いい技術を追い求めたかっただけのはずなのに。

   やるせない。

よこまち余話  木内昇  ★   



よこまち余話

よこまち余話
著者:木内昇
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2016年1月発行 中央公論新社 282p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

その路地は秘密を抱いている。ここは、「この世」の境が溶け出す場所。お針子の齣江、“影”と話す少年、皮肉屋の老婆らが暮らす長屋。あやかしの鈴が響くとき、押し入れに芸者が現れ、天狗がお告げをもたらす。

【目次】(「BOOK」データベースより)

ミカリバアサマの夜/抜け道の灯り/花びらと天神様/襦袢の竹、路地の花/雨降らし/夏が朽ちる/晦日の菓子/御酉様の一夜/煤払いと討ち入り/猿田彦の足跡/遠野さん/長と嵩/抽斗のルーペ/まがきの花/花よりもなほ/夏蜜柑と水羊羹/はじまりの日

【感想】

   すごくよかった。
   しみじみしみいった。

   大正時代、長屋に住む人々のていねいな暮らし。
   お互いを思い合う気持ち。

   そんな中に、
   どこか不思議なものがたちのぼってくる。

   成長と変化。
   出会いと別れ。

   文章も美しくて溜息。
   ただただ美しく切ない世界を堪能。

櫛挽道守  木内昇  ☆   



幕末の木曽、薮原宿。才に溢れる父の背中を追いかけ、一人の少女が櫛挽職人を目指す。周囲の無理解や時代の荒波に翻弄されながらも、ひたむきに、まっすぐに生きる姿を描き出す、感動の長編時代小説。

櫛挽道守

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著者:木内昇
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2013年12月発行 集英社 367p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

神業と称えられる櫛職人の父。家を守ることに心を砕く母。村の外に幸せを求める妹。才を持ちながら早世した弟。そして、櫛に魅入られた長女・登瀬。幕末、木曽山中。父の背を追い、少女は職人を目指す。家族とはなにか。女の幸せはどこにあるのか。一心に歩いた道の先に深く静かな感動が広がる長編時代小説。黒船来航、桜田門外の変、皇女和宮の降嫁…時代の足音を遠くに聞きながら、それぞれの願いを胸に生きた家族の喜びと苦難の歴史。

【感想】

   ひゃ~よかった!

   幕末木曽山中、
   名産お六櫛の職人・吾助の長女、登瀬の半生。

   父のように櫛を作りたいと願う少女が
   「家族」「女の幸せ」に足を引っ張られながらも、
   家の中の冷たい空気に悲しくなりながらも、
   自身の強い想いを貫き辿りついた地平に
   胸ふるえました。

   ただ板の間で櫛を作っていた父。
   「家を守る」ということに必死な母と妹。
   そこにやってきた各地を旅してきた若い職人。
   弟・直助の残した草紙と弟の仲間。
   そして、木曽の山中にも届く幕末の不穏な動き。

   その中でひたすら
   自分の信ずる道を見失わないようもがく
   登勢の姿がくっきり。

   櫛づくりの説明もほとんどなく、方言もあり、で
   初めのころは読みにくかったのですが
   特にネットで調べたりせず読んでいると、
   しだいにその世界にひきこまれ
   心地よくなりました。

   タイトルは「くしひきちもり」と読みます。

笑い三年、泣き三月。  木内昇



終戦直後、焼け跡で出会った男3人。年齢も境遇も違う彼らは浅草のストリップ小屋で家族のように暮らし始める。直木賞受賞第1作。


笑い三年、泣き三月。

2011年9月発行 文藝春秋 410p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

戦争を生き延びた男三人。抱える事情は様々なれど安劇場にひろわれて、踊り子のぼろアパートで珍妙な共同生活をはじめる。戦後復興期、焼け跡の浅草でエロに燃えて笑いに悩む。

感想 

   焼け野原の昭和21年の浅草が舞台。
   旅芸人、復員兵、戦争孤児、
   そして心優しき嘘つきの踊り子。
   ぼろアパートと小さな劇場。
   生きていくのに苦しく何にもなかったはずなのに、
   笑いと善意があふれている幸せな生活だったように
   感じられる物語の妙。

   登場人物が過去の戦時中を思い、
   これからどう生きていくかに悩む姿が
   繊細に描かれているのに胸を突かれ、
   ラストの彼らの進む道に涙を落としたけれど、
   やっぱり、
   さぁさ、お陽気にまいりましょーう。ですよ!

   笑いと善意の力を信じさせてくれる物語でした。

漂砂のうたう  木内昇  



明治10年。根津遊廓に生きた人々を描く長編

ご一新から十年。御家人の次男坊だった定九郎は、出自を隠し根津遊郭で働いている。花魁、遣手、男衆たち・・・変わりゆく時代に翻弄されながら、谷底で生きる男と女を描く長編小説。


漂砂のうたう

2010年9月発行 集英社 297p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

谷底から見上げた「明治維新」。明治10年。時代から取り残され、根津遊廓に巣食う男と女の身に降りそそぐのは、絶望の雨か、かすかな希望の光か。『茗荷谷の猫』で大注目の新鋭が放つ、傑作長編小説。

感想

   明治維新直後の遊郭で働く男や女。
   水の底で漂う砂のように ただ社会の底辺で生きていく。 
   
   それでも 少しは水の上に浮かび上がろうと
   それぞれの才覚をこらす。

   主人公の定九郎のみ ただなるようになれ、と
   世を拗ねていて
   その人生の投げ出し具合が
   作品全体に暗い雰囲気をかもし出していました。

   時代が大きく変わったなか
   不器用に暮らす人たちを
   どろどろと描いた一冊でした。

   落語家・円朝の怪談噺と
   根津遊郭の名花と言われた花魁の失踪との絡みは
   ミステリっぽい。

   作者のお名前は「きうち のぼり」さんとお読みします。
   女性の方だそうです。
   私はこの作品が初読みですが
   雰囲気は 松井今朝子さんに似ているような気がしました。