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皐月鬼  田辺青蛙



妖鬼皐月の物語、完結!
火の山への旅を終え、戻ってきた静かな日常の中、幻獣、外つ国の妖、妖狐……妖鬼・皐月と猫先生の周辺にはいろいろな出来事と妖が。妖鬼・皐月の物語完結巻。



2010年12月発行 角川ホラー文庫 227p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

“火の山”への旅から戻った妖鬼の皐月と魂追いの少年縁は、再び村で暮らし始めるが、縁は行く先も告げず、ふらりと遠出することが多くなった。あることがきっかけで、一緒に暮らすことになった河童の子ネネは、なぜか皐月に反発ばかり。周囲では妖絡みの事件も発生し、皐月の日常は気苦労が絶えない。そんな中、縁には、旅先で邂逅した川の主との“約束の時”が刻一刻と迫っていた……。県境を守る鬼の少女の物語、最終章。

感想

   皐月の物語が完結してしまいました。
   このゆるい妖の物語の雰囲気が好きだったので
   残念です。

   この3冊目でも
   ネネという反抗的な河童の子がやってきたことで
   いっそう皐月のぼんやりさかげんが
   浮き彫りにされて 
   おいおい、という感じなのであります。

   縁や 昔、雪になって皐月の肌の上で溶けた次郎とのことも
   なんだか中途半端なのですが
   いつまでも、どこまでも 
   皐月鬼がふらふらとさまよっているようで
   ここから先は 読者の想像にまかされてしまったようです。   
   
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魂追い  田辺青蛙   


魂追い

2009年12月発行 角川書店 252p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

県境を守る妖鬼の皐月は、森に漂う“生き物の魂魄”を捕らえることを生業とする“魂追い”の少年・縁と出会う。あるとき、魂魄が漂う“道”に入り込んでしまったことをきっかけに、皐月と相棒の馬・布団の体に変調が!?皐月は縁とともに、変異を食い止める力があるという妖虫・火喰い虫が棲む“火の山”をめざし旅立つことになるが…行く先々で待ち受ける怪異と事件、2人の旅路の行く末は─!?不思議な魅力の妖怪小説、再び。

感想

   「生き屏風」の続編です。
   今作は 皐月のところに 
   魂魄を捕まえて売ることを生業としている
   人間の少年・縁がやってきて
   ともに「火の山」をめざすという 旅物語です。
   
   生意気な縁に対して 
   皐月がお姉さんぶっているのが かわいくておかしい。
   百年以上生きているので 充分「お姉さん」なんですけれどね。

   日本の里や山を舞台とした 懐かしいにおいのする
   ファンタジー。
   これからもどんどん続いてほしいです。
   

生き屏風  田辺青蛙   


生き屏風

2008年12月発行 角川書店 182p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

村はずれで暮らす妖鬼の皐月に、奇妙な依頼が持ち込まれた。病で死んだ酒屋の奥方の霊が屏風に宿り、夏になると屏風が喋るのだという。屏風の奥方はわがままで、家中が手を焼いている。そこで皐月に屏風の話相手をしてほしいというのだ。嫌々ながら出かけた皐月だが、次第に屏風の奥方と打ち解けるようになっていき―。しみじみと心に染みる、不思議な魅力の幻妖小説。第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

【目次】(「BOOK」データベースより)

生き屏風/猫雪/狐妖の宴

感想

   冒頭 ちょん切られた血だらけの馬の首の中で眠る妖鬼という
   ことで 「やっぱりホラー?!」と少しひいたのですが
   読みすすめると この妖鬼がなんともとぼけて頼りなく
   でも かわいい雰囲気を持っているのが わかり
   安心しながら読むことができました。

   「生き屏風」の屏風についてしまった奥方のやさしさと哀しさや
   「猫雪」の次郎ののんきな生活と隠された思いや
   「狐妖の宴」の狐妖と猫男?の皐月を見つめる視線のあたたかさと
   昔懐かしい山里の風景に
   癒されるような 温かいファンタジーでした。