FC2ブログ

あなたが消えた夜に  中村文則   


あなたが消えた夜に

あなたが消えた夜に
著者:中村文則
価格:1,728円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2015年5月発行 毎日新聞出版 431p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。“コートの男”とは何者か。誰が、何のために人を殺すのか。翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人は救うことができるのか。人間存在を揺るがす驚愕のミステリー!

【感想】

   ずっしりとした読み応え。

   連続通り魔殺人事件の犯人とみられる
   「コートの男」を追う刑事二人の奮闘の話から
   事件の真相を語る話へと。

   中村さんが警察小説?と思ったけれど、
   後半になって人間の弱さや悪をさらけ出す様に
   らしさが現れてぞくぞく。

   刑事二人のキャラがよくて
   その背負っているものもなかなかヘビーだったので、
   その二人をずっとメインにした話も読みたかったかも。

スポンサーサイト



A  中村文則   



A

A
著者:中村文則
価格:1,512円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2014年7月発行 河出書房新社 273p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

風俗嬢の後をつける男、罪の快楽、苦しみを交換する人々、妖怪の村に迷い込んだ男、決断を迫られる軍人、彼女の死を忘れ小説を書き上げた作家…いま世界が注目する作家が放つ13の「生」の物語。

【目次】(「BOOK」データベースより)

糸杉/嘔吐/三つの車両/セールス・マン/体操座り/妖怪の村/三つのボール/蛇/信者たち/晩餐は続く/A/B/二年前のこと

【感想】

   ふええ~。

   2007年から2014年に書かれた短編13を
   集めた一冊。

   帯に「13の「生」の物語」とあって
   確かに「生」が書かれているけれど、
   「死」や「性」も色濃くて、
   読んでいてすごく嫌な気分になったりしましたが、
   それでも独特な世界はやっぱり魅力的。

去年の冬、きみと別れ  中村文則   



去年の冬、きみと別れ

去年の冬、きみと別れ
著者:中村文則
価格:1,365円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る



2013年9月発行 幻冬舎 192p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は、二人の女性を殺した容疑で逮捕され、死刑判決を受けていた。調べを進めるほど、事件の異様さにのみ込まれていく「僕」。そもそも、彼はなぜ事件を起こしたのか?それは本当に殺人だったのか?何かを隠し続ける被告、男の人生を破滅に導いてしまう被告の姉、大切な誰かを失くした人たちが群がる人形師。それぞれの狂気が暴走し、真相は迷宮入りするかに思われた。だがー。日本と世界を震撼させた著者が紡ぐ、戦慄のミステリー!

【感想】

   女性二人を殺した罪で裁判中のカメラマンに
   インタビューをすることから始まる物語。

   登場人物がみんな「悪」をめざしていて
   すごくぞわぞわする。

   けれど居心地悪い。
   なんかもやもやするー!

王国  中村文則



社会的要人の弱みを人工的に作る女、ユリカ。ある日、彼女は出会ってしまった、最悪の男に。絶対悪VS美しき犯罪者! 大江賞受賞作のベストセラー『掏摸』を超える話題作がついに刊行!


王国

2011年10月発行 河出書房新社 177p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

組織によって選ばれた、利用価値のある社会的要人の弱みを人工的に作ること、それが鹿島ユリカの「仕事」だった。ある日、彼女は駅の人ごみの中で見知らぬ男から突然、忠告を受ける。「あの男に関わらない方がいい…何というか、化物なんだ」男の名は、木崎ー某施設の施設長を名乗る男。不意に鳴り響く部屋の電話、受話器の中から静かに語りかける男の声。「世界はこれから面白くなる。…あなたを派遣した組織の人間に、そう伝えておくがいい…そのホテルから、無事に出られればの話だが」圧倒的に美しく輝く強力な「黒」がユリカを照らした時、彼女の逃亡劇は始まった。

感想 

   わっかんないです、この手の小説は。
   観念的?哲学的?でも惹きつけられます。謎。

   男たちの中で体を張って働くユリカ。
   生きている意味はないと拗ねているようでいて
   生きていくことに執着しています。

   「絶対悪」である木崎に比べると
   ユリカはかよわい。
   ’VS’という感じではなくて
   ただひたすら翻弄され、
   なんとかその状況から逃げ出そうとしている感じでした。

   彼女のあがきと月のイメージの繰り返しが印象的です。

   『王国』はおなじ中村文則さんの
   『掏摸』の兄妹編ということです。
   内容的にはつながっていないので
   別にどちらから読んでも大丈夫。
   私はどちらかというと『掏摸』の方が好きです。

   
   掏摸

悪と仮面のルール  中村文則  


悪と仮面のルール

2010年6月発行 講談社 355p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

父から「悪の欠片」として育てられることになった僕は、「邪」の家系を絶つため父の殺害を決意する。それは、すべて屋敷に引き取られた養女・香織のためだった。十数年後、顔を変え、他人の身分を手に入れた僕は、居場所がわからなくなっていた香織の調査を探偵に依頼する。街ではテログループ「JL」が爆発騒ぎを起こし、政治家を狙った連続殺人事件に発展。僕の周りには刑事がうろつき始める。しかも、香織には過去の繰り返しのように、巨大な悪の影がつきまとっていた。それは、絶ったはずの家系の男だった─。刑事、探偵、テログループ、邪の家系…世界の悪を超えようとする青年の疾走を描く。芥川賞作家が挑む渾身の書き下ろしサスペンス長編。新たなる、決定的代表作。

感想

   「人をなぜ殺してはいけないのか」の答のひとつが
   ここにあったように思う。

   「邪」な家系に生まれた「僕」は
   「悪」として育てられるようになる前に
   ただ一人の愛する人である香織を守りたいために
   父の殺害を決意する。

   大人になった「僕」は
   「邪」な家系が まだ香織に悪の手を伸ばしていることを知り
   さらなる殺人に手を染めようとする。

   「僕」個人の戦いだったものが
   テログループと絡み合いながら
   複雑な様相を呈してくるようになる。

   「僕」の「愛する人を救うため」という気持ちと
   相手が邪悪な存在であることは
   「人を殺すこと」の免罪符となるのか。

   過去と現在を行き来して
   「僕」の内面を深く描きながらも
   はらはらどきどきさせるエンタメのような側面も持ち
   いろいろと考えさせられ また 
   大変 読み応えのある作品でした。

   私には ちょっと難しかったですけれど。

   最後は 救いのある終わり方でよかったです。

掏摸  中村文則  


掏摸

2009年10月発行 河出書房新社 175p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎─かつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば…最近、お前が親しくしている子供を殺す」その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。悪の快感に溺れた芥川賞作家が、圧倒的な緊迫感とディティールで描く、著者最高傑作にして驚愕の話題作。

感想

   何かに追い立てられるような 焦燥感をもって
   最後まで一気に読みきりました。

   天才掏摸師が主人公。
   主人公自体が悪なのに 別の悪人と対峙し 掏摸を極めるストーリーに
   なぜか 主人公に肩入れしてしまう。
   もはや職人技ともいえる 掏摸の瞬間の描写は 美しい。

   ラストは希望が持ててよかったけれど
   冷静に考えると 掏摸を肯定しちゃだめですよね。
   でもでも そんな理屈はふっとばしてくれる。
   これぞ文学の力かも。