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岸辺のヤービ  梨木香歩  ☆   



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岸辺のヤービ [ 梨木香歩 ]
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2015年9月発行 福音館書店 232p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「世界ってなんてすばらしいんでしょう!」あの晴れた夏の日、わたしが岸辺で出会ったのは、ふわふわの毛につつまれた、二本足で歩くハリネズミのようなふしぎな生きものでした。物語を愛するすべてのひとに贈る、驚きと喜びに満ちたファンタジー、マッドガイド・ウォーターシリーズ開幕。

【感想】

   岸辺に住むちいさな生き物・ヤービたちのお話。

   やさしく、かわいく、いさましく、わくわくとした中に、
   命の重さや環境問題を盛り込んでいて。

   「大きい人」であるウタドリさんの視線もあたたかい。

   挿絵もとてもいい。

   うっとり~うっとり~うっとり~

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丹生都比売 梨木香歩作品集  梨木香歩  ☆   



胸奥の深い森へと還って行く。見失っていた自分に立ち返るために……。蘇りの水と水銀を司る神霊に守られて吉野の地に生きる草壁皇子の物語ーー歴史に材をとった中篇「丹生都比売」と、「月と潮騒」「トウネンの耳」「カコの話」「本棚にならぶ」「旅行鞄のなかから」「コート」「夏の朝」「ハクガン異聞」、1994年から2011年の8篇の作品を収録する、初めての作品集。しずかに澄みわたる、梨木香歩の小説世界。

丹生都比売

丹生都比売
著者:梨木香歩
価格:1,620円(税込、送料込)
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2014年9月発行 新潮社 251p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

しずかに澄み渡る梨木香歩の小説世界。短篇9篇を収録する、初めての作品集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

月と潮騒(2008)/トウネンの耳(2008)/カコの話(2005)/本棚にならぶ(2007)/旅行鞄のなかから(2006)/コート(2005)/夏の朝(1994)/丹生都比売(1995)/ハクガン異聞(2011)

【感想】

   短編集。

   は~やっぱりいいなあ、梨木さんの作品は。

   どれも不思議なんだけど
   みんな「当然」という顔をして
   するすると体にしみわたる。

   湿り気をもった独特の雰囲気が
   心地よく体を包み込む。

   どれもいいけれど、
   特に「コート」と「夏の朝」が好き。

海うそ  梨木香歩  ★   



海うそ

海うそ
著者:梨木香歩
価格:1,620円(税込、送料込)
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2014年4月発行 岩波書店 190p

【内容紹介】

ただただ無心に漏れ来る光の林よ
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野がやって来た南九州のとある島。山がちなその島の自然に魅せられた彼は、踏査に打ち込む――。歩き続けること、見つめ続けることによってしか、姿を現さない真実がある。著者渾身の書き下ろし小説。

【感想】

   本当に素晴らしかった。

   昭和の初め、
   人文地理学学者が訪れた
   南九州の島の自然、風俗、人々、歴史が、
   ただただ頭が下がるほど
   美しく尊くかなしい。

   そして50年後
   彼が再訪したときの様子に
   心潰れる思いがしたけれど
   彼が到達した境地がもう。

   新たな地平が広がった。

   私の言葉ではとてもとても表せない
   この素晴らしさ。

   ある男の人が若いころに南の島をフィールドワークして、
   50年後に再訪したという話が、
   どうしてこんなに
   美しく深い物語になるんだろう。

冬虫夏草  梨木香歩   



ここは天に近い場所なのだーー。『家守綺譚』以後を描く、心の冒険の物語。

冬虫夏草

冬虫夏草
著者:梨木香歩
価格:1,575円(税込、送料込)
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2013年10月発行 新潮社 264p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

疏水に近い亡友の生家の守りを託されている、駆け出しもの書きの綿貫征四郎。行方知れずになって半年あまりが経つ愛犬ゴローの目撃情報に加え、イワナの夫婦者が営むという宿屋に泊まってみたい誘惑に勝てず、家も原稿もほっぽり出して分け入った秋色いや増す鈴鹿の山襞深くで、綿貫がしみじみと瞠目させられたもの。それは、自然の猛威に抗いはせぬが心の背筋はすっくと伸ばし、冬なら冬を、夏なら夏を生きぬこうとする真摯な姿だった。人びとも、人間にあらざる者たちも…。『家守綺譚』の主人公にして新米精神労働者たる綿貫征四郎が、鈴鹿山中で繰り広げる心の冒険の旅。

【感想】

   滋味かな滋味かな~。

   今から百年すこしまえ、
   京都に住む文士綿貫さんが
   愛犬ゴローを探して鈴鹿山中へ。

   綿貫さんが土地の人、人外の者たちと
   やさしく交流しそれから考えを深め、
   自然の美しさ豊かさに目を留め愛おしむ
   道中がゆるゆるとしみこんできました。

   それにしても
   梨木さんの書かれる日本語は美しい。

   そしていつものとおり
   「しっとりとした(湿気のある)わけのわからなさ」具合が
   素敵すぎます。

   謎はあちこちに残っていますが、
   わからないことはわからないままで読み終えて
   なんの不満もありません。

   というかそれがよいのです。

鳥と雲と薬草袋  梨木香歩  ☆   

鳥のように、雲のように、その土地を辿る。ゆかしい地名に心惹かれるーー作家の胸奥の「ものがたり」がはぐくまれる場所に、滋養を与える旅の記憶。49の土地の来歴を綴り重ねた葉篇随筆。読む者の心も、はるばると時を超える。旅に持ち歩く「薬草袋」のなかの、いい匂いのハーブのブーケや、愛着のある思い出のメモの切れ端のような……日常を生きるときの常備薬ともなり、魂を活性化する、軽やかな愛蔵本。

鳥と雲と薬草袋

鳥と雲と薬草袋
著者:梨木香歩
価格:1,365円(税込、送料込)
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2013年3月発行 新潮社 137p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

鳥のように、雲のように、その土地を旅する。ゆかしい地名に心惹かれるー地名に召喚される土地の記憶をものがたる葉篇随筆。作家の胸奥の「ものがたり」がはぐくまれる場所に、滋養を与える旅の記憶。49の土地の来歴を綴り重ねた随筆集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

まなざしからついた地名/文字に倚り掛からない地名/消えた地名/正月らしい地名/新しく生まれた地名/温かな地名/峠についた名まえ/岬についた名まえ/谷戸と迫と熊/晴々とする「バル」/いくつもの峠を越えて行く/島のもつ名まえ

【感想】

   49の地名についてのエッセイ

   いやあ、よかったあ。
   しみじみ。

   日本の地名の美しさと
   その景色のかけがえのなさと
   地名に込められた深い思いを
   梨木さんの流れるような文章で堪能。

   梨木さんもあとがきで書かれているように、
   毎日1編ずつ読むほうがこの本には相応しい。

   平成の大合併で
   安易に消された地名と安易に作られた地名についての
   梨木さんの静かな怒り・哀しみに同意。
   ああ、ほんとうにとりかえしがつかない。

   佐田岬の項で書かれた
   「さあ、ここまでだよ」から始まる文章には、
   何か救われる心持がしました。

   「さあ、ここまでだよ、と限界を知らされることは、
    人にとっての救いではないだろうかと、
    行き過ぎた文明の末路が目の前にちらつくようになった
    ここ最近、特に思う。
    もうここから先は行けないのだ、と悟ることは、
    もうここから先に行かなくてもいいのだ、
    という安堵にすり替わる。」(本文91ページ)

   装幀も上品で素敵です。


エストニア紀行ー森の苔・庭の木洩れ日・海の葦  梨木香歩   



端正な街並みと緑深い森、被支配の歴史を持つこの国をくまなく旅し、いつの時代も変わらぬ祖国への思いを静かに燃やし続けてきた人々の魂に触れた紀行。

エストニア紀行

エストニア紀行
著者:梨木香歩
価格:1,470円(税込、送料込)
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2012年9月発行 新潮社 193p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

首都タリンから、古都タルトゥ、オテパー郊外の森、バルト海に囲まれた島々へー旧市街の地下通路の歴史に耳を傾け、三十万人が集い「我が祖国は我が愛」を歌った「歌の原」に佇む。電柱につくられたコウノトリの巣は重さ五百キロ。キヒヌ島八十一歳の歌姫の明るさ。森の気配に満たされ、海岸にどこまでも続く葦原の運河でカヌーに乗る。人と自然の深奥へと向かう旅。

【感想】

   エストニアの旅行エッセイ。

   豊かな自然。
   自然と無理なく共存する人々。

   梨木さんの瑞々しい筆により
   楽しく知り感じることができました。
   
   でも悲しい歴史・事実もある。
   梨木さんが書かれなかったら知らないままのこと。
   感謝。

   エストニアを一巡りする旅行が一週間ほどの日程しかなく、
   どこも駆け足で次のところへ、というのがもったいなかった。

   梨木さんご自身もそのあたりのことを
   残念がっておいででした。

   その中でも強い印象を残す人や場所。

   エロじじいに爆笑。時間が無駄だったぽいけれど。
   幽霊ホテルに戦慄。梨木さんは呼んじゃう人なのかな。

   文章にはカッコが多用されていて、
   それがユーモラスであったり新たな知識を与えてくれたり。

   中ほどにある写真が素敵。
   81歳の歌姫がかっこいい。

   中で紹介されていた
   ヴィークランドの絵本『ながいながい旅』はぜひ読んでみたい。

ながいながい旅

ながいながい旅
著者:イロン・ヴィークランド
価格:1,995円(税込、送料込)
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雪と珊瑚と  梨木香歩 



珊瑚、21歳。生まれたばかりの赤ちゃん雪を抱え、途方に暮れていたところ、様々な人との出逢いや助けに支えられ、心にも体にもやさしい、惣菜カフェをオープンさせることになる……。

雪と珊瑚と

雪と珊瑚と
著者:梨木香歩
価格:1,575円(税込、送料込)
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2012年4月発行 角川書店 319p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

珊瑚、21歳。生まれたばかりの子ども。明日生きていくのに必要なお金。追い詰められた状況で、一人の女性と出逢い、滋味ある言葉、温かいスープに、生きる力が息を吹きかえしてゆくー。シングルマザー、背水の陣のビルドゥング・ストーリー。

【感想】

   ネグレクトされて育った珊瑚・21歳はシングルマザー。
   生まれたばかりの娘・雪を抱えている。

   思わぬ出会い・手助けを得てカフェを開店し
   確実に前に進む。

   体温が低く淡々とすすむ小説。
   珊瑚の葛藤さえも静かだ。
   彼女の真剣な迷いに大きくうなずかされる。

   虐待は連鎖するというけれど、
   珊瑚のように周りから手助けがあれば
   防げるのかもしれない。

   そんな珊瑚でさえ一線を越えてしまいそうな夜がある。
   子育ては我慢しなければならないことが多い。

   でもラストシーンのような美しく喜ばしい瞬間が
   多く訪れるというのも事実なのだ。




僕は、そして僕たちはどう生きるか  梨木香歩




僕は、そして僕たちはどう生きるか

2011年4月発行 理論社 275p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

やあ。よかったら、ここにおいでよ。気に入ったら、ここが君の席だよ。コペル君14歳、考える。春の朝、近所の公園で、叔父のノボちゃんにばったり会った。そこから思いもよらぬ一日がはじまり…。少年の日の感情と思考を描く青春小説。

感想 

   示唆に富んだ一冊。
   中学生の男の子、コペル君が過ごした春の一日。
   
   それは
   近所の公園で 叔父のノボちゃんと、
   そして 広大な自然の残る敷地にたつ
   昔ながらの日本家屋で、
   そこに一人で住む同級生(でも現在不登校中)の
   ユージンくんと、
   さらに そこにやってきたショウコちゃんや
   マークやインジャといっしょに
   語り合い、自然に親しみ、
   そして考えた春の一日。

   お話の中で
   二つショッキングなエピソードが提示されます。
   またそれとは別に 
   みんながいろいろなことを語り合います。
   その中で「普通」や「群れ」、そして「自分」についての
   考えが深められていきます。

   でてくる子どもたちがどの子も「よく考える子」なので
   そして コペル君が思い惑い、考えたことが
   丁寧に丁寧に書かれているので
   こちらにも
   彼らの考えていることがストレートに伝わってきて
   いろいろと 考えさせられました。

   植物や庭の様子の描写は
   さすが梨木さんならでは、という素晴らしさです。

   一応 一般書として扱われているようですが 
   小学校高学年から充分読めるし、
   読んで欲しいなと思いました。
   (また中学入試の問題にとりあげられるかもしれない)  

   「コペルくん」という名前は
   叔父のノボちゃんが 子どもの頃に読んだ本の
   主人公の名前らしい。
   調べてみるとそれはどうも
   吉野源三郎さんという方が1937年に書かれた
   「君たちはどう生きるか」という本だと思われます。
   タイトルも似ているこの本。
   私は読んだことがないのですが
   内容も何かしら通じるところがあるのでしょうか。

   
   君たちはどう生きるか


   

ピスタチオ  梨木香歩     




ピスタチオ

2010年10月発行 筑摩書房 290p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

なにものかに導かれてやってきた、アフリカ。棚は、すでに動きはじめたこの流れにのるしかない、と覚悟をきめた…。待望の最新長篇小説。

感想

   うむむむ。難しかった~。
   飼い犬の病気→アフリカ・ウガンダの呪術医→鳥検番という
   話の脈絡が どういうこと?って感じで
   ついていけなかったです。

   梨木さんの作品はどれも私には難しいのですが
   これはその中でもぴかいちでした(^^ゞ。

f植物園の巣穴  梨木香歩   


f植物園の巣穴

2009年5月発行 朝日新聞出版 193p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

植物園の園丁は、椋の木の巣穴に落ちた。前世は犬だった歯科医の家内、ナマズ神主、烏帽子を被った鯉、幼きころ漢籍を習った儒者、アイルランドの治水神…。動植物や地理を豊かにえがき、埋もれた記憶を掘り起こす会心の異界譚。

感想

   また相変わらず難解~。
   じめじめした雰囲気の
   わけのわからなさが梨木さんの持ち味なんでしょうね。
   そう考えると「西の魔女が死んだ」は
   比較的 わかりやすい作品だったのかもしれません。
   
   現実から離れて 物語の作り出す世界に
   どっぷり浸るのが 心地よい感じでもあります。