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空耳の森  七河迦南   


春山で吹雪に遭遇した恋人たち、孤島に取り残された幼い姉弟、居酒屋で安楽椅子探偵と出会った男……彼らにもたらされた謎と奇蹟。万華鏡のごとき9編を収録。

空耳の森

空耳の森
著者:七河迦南
価格:1,785円(税込、送料込)
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2012年10月発行 東京創元社 307p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

まだ早い春の日、思い出の山を登るひと組の男女。だが女は途中で足を挫き、つかの間別行動をとった男を突然の吹雪が襲う。そして、山小屋でひとり動けない女に忍び寄る黒い影ー山岳を舞台にした緊迫のサスペンス「冷たいホットライン」。孤島に置き去りにされた幼い姉弟の運命を描く「アイランド」。ある不良少女にかけられた強盗の冤罪をはらすため、幼なじみの少年探偵が奔走する「さよならシンデレラ」。居酒屋で男が安楽椅子探偵に遭遇する「晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)」…『アルバトロスは羽ばたかない』で一躍注目を浴びた鮎川哲也賞受賞作家の本領発揮。一編一編に凝らされた職人的技巧に感嘆すること間違いなしの、バラエティに富んだ九編を収める。

【目次】(「BOOK」データベースより)

冷たいホットライン/アイランド/It’s only love/悲しみの子/さよならシンデレラ/桜前線/晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)/発音されない文字/空耳の森

【感想】

   そっか、そっか、そういうことか~! 
   最後まで読み終えてじわじわと感動。

   9つの短編。
   最初の方は「ふん、ふん、なるほど」と
   ミステリーを軽く楽しんでいたのだけれど、
   次第に「あれ、この人さっきも出てきた?」とか思い始めて、
   最後はそこに来ますか~。

   最後の一編で全部を引き受けてまとめているから、
   もう一度初めから読みなおしました。

   緻密な技が効いた短編集。

   七河さんがこれまでに出された
   『七つの海を照らす星』『アルバトロスは羽ばたかない』を
   読んでいる方が、より楽しめると思います。

   私はこのラストはうれしいですぞ!

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アルバトロスは羽ばたかない  七河迦南



冬、七海西高校の屋上で、少女は“運命”に追いつかれた。そこで起きた悲劇は、誰もが言うように事故だったのか? 鮎川哲也賞受賞作『七つの海を照らす星』に続く連作長編。


アルバトロスは羽ばたかない

2010年7月発行 東京創元社 309p(二段組)

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。鮎川哲也賞作家が描く、季節を彩る五つの謎。『七つの海を照らす星』に続く、清新な本格ミステリ。

感想

   読み終わって ええええ~!!と
   驚かされました。   

   冬に起こった事件を調査する合間に
   春・夏・初秋・晩秋に起こった事件(日常の謎系)を
   回想するという構成。

   春・夏・初秋・晩秋の事件の結果も
   冬の事件を解くための手掛りになっているという
   凝った内容です。

   七海学園の先生・北沢春菜が
   子供たちのことを考えて
   体当たりで取り組んでいるのが
   読んでいて気持ちよかったです。

   最後はね~。
   いろいろ言いたいことはあるのですが
   ネタバレになるので書けないのが残念。
   これは ぜひ続編を!   

   前編の『七つの海を照らす星』は読んでおいた方が
   人物関係などがわかりやすくて
   より楽しめると思います。

   こちらも鮮やかな日常の謎系ミステリでした。

   

七つの海を照らす星  七河迦南   


七つの海を照らす星

2008年10月発行 東京創元社 308p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

様々な事情から、家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」。ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。孤独な少女の心を支える“死から蘇った先輩”。非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。女の子が六人揃うと、いるはずのない“七人目”が囁く暗闇のトンネル…七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、“真実”の糸によってつながり、美しい円環を描いて、希望の物語となる。繊細な技巧が紡ぐ短編群が「大きな物語」を創り上げる、第十八回鮎川哲也賞受賞作。

【目次】(「BOOK」データベースより)

今は亡き星の光も/滅びの指輪/血文字の短冊/夏期転住/裏庭/暗闇の天使/七つの海を照らす星

感想

   児童養護施設「七海学園」を舞台にした
   日常の謎系のミステリ。連作短編集。

   学園の七不思議から引き起こされた事件を
   若手職員の北沢春菜が
   児童相談所の職員・海王さんの助言を得ながら
   調査していきます。
 
   いろいろな理由があって 親と離れてくらさないといけない
   子供たちの寂しさや怒りや
   児童養護施設や児童相談所をめぐる社会事情などを背景にしつつ
  
   春菜ちゃんの奮闘と海王さんの包容力が
   子供たちの不安と 6つの日常の謎を解決します。
   ふたりの 子供に対する気持ちが温かい。

   そして最後の短編で 全体を通しての謎が明らかにされる。
   その構成も鮮やかでした。

   
   こういう読みやすい日常の謎系ミステリは
   読み終わって いい気持ちになるのですけれど
   時間をたつと忘れてしまいがちなので(汗)
   内容を簡単にメモメモ。

   今は亡き星の光も/学園を出て行ったあとすぐ亡くなった生徒が
            後輩に会いに来た。

   滅びの指輪/空き家で見つかった 戸籍を持っていなかった少女は
         高校卒業前に大金を手に入れた。

   血文字の短冊/週末に自分の家に一時帰宅した少女は
          父親が自分を憎んでいると思い込んで帰ってきた。

   夏期転住/結婚を間近に控えた青年は
        少年の日に短期間会った少女が忘れられない。

   裏庭/誰からも頼られる少女は 裏庭に忍び込んできた
      少女の姿を見ていた。

   暗闇の天使/トンネルを6人の少女がくぐると
         天使の声が聞こえてくる。

   七つの海を照らす星/春菜が知った真実とは。


   続編『アルバトロスは羽ばたかない』も読もうと思っています。