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幸福な生活  百田尚樹




幸福な生活

2011年6月発行 祥伝社 274p

【内容情報】

「道子さんを殺したのは、私なのよ――」
認知症が進んでから母はよく喋るようになった。
しかし、その話の大半は出鱈目だ。妻は自分がいつ殺されたのと笑うだろう。
施設を見舞うたびに進行していく症状。子どもの頃に父が家出して以来、女手ひとつで自分と弟を育ててくれた母をぼくは不憫に思えてならない。
久しぶりに訪れた実家の庭でぼくは、むかし大のお気に入りだった人形を見つける。
40年ぶりに手にした懐かしい人形。だが、それはおそろしい過去をよみがえらせた……(「母の記憶」より)。サスペンス、ファンタジー、ホラー……、様々な18話の物語、そのすべての最後の1行が衝撃的な台詞になっているという凝った構成。
『永遠の0』『ボックス!』『錨を上げよ』で話題の百田尚樹は長編だけじゃなかった。星新一、阿刀田高、筒井康隆という名手顔負けの掌編小説集を世に送り出した!

【目次】(「BOOK」データベースより)

母の記憶/夜の訪問者/そっくりさん/おとなしい妻/残りもの/豹変/生命保険/痴漢/ブス談義/再会/償い/ビデオレター/ママの魅力/淑女協定/深夜の乗客/隠れた殺人/催眠術/幸福な生活

感想 

   最後の1行が衝撃を与える、ってことですが
   そこまでとは思えず。
   けっこうオチが読めちゃう感じでした。
   
   なんとなくどのお話も皮肉っぽく、
   品がなくて
   う~~ん、好きじゃなかったなあ。
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影法師  百田尚樹 「今日どんな本をよみましたか?(197360)」 

注目作家が意表を衝いた初めての時代小説!
『ボックス!』『風の中のマリア』の著者が挑む長編時代小説。身分を越えた親友であった二人の若侍がたどる栄達と没落。草食系の時代に男の生き様を問う意欲作!


影法師

2010年5月発行 講談社 330p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした十四の秋。それから─竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか。

感想

   国家老として国に帰ってきた名倉彰蔵は
   かつて少年時代をともに過ごした磯貝彦四郎の死を知る。
   なぜ 彼は死ななければならなかったのか、
   彼は死ぬまで何をしていたのか。
   
   最初の出会いから 彼との日々を丹念に思い出す。
   共に将来を嘱望されていたとはいえ
   本来は彦四郎の方が 剣も学問も秀でていたはず。
   人柄もおごらず誰にでも慕われていた。
   それが 彼はどこで道を違えたのか。
   どうして 下士であった自分なのに ここまで出世できたのか。

   単に運が悪かったと思わされていた彦四郎の
   本当の思いと姿が 明らかにされた時に
   タイトルの持つ意味が胸を衝きました。
   武士のたたずまい・覚悟が凛として美しく
   男の友情が泣かせてくれる作品でした。
   
   

モンスター  百田尚樹 「今日どんな本をよみましたか?(197360)」 


モンスター

2010年3月発行 幻冬舎 397p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

田舎町で瀟洒なレストランを経営し、町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ呼ばわりされ友達もできない悲惨な日々。そして思い悩んだ末、ある事件を起こしてしまう。追われるように移り住んだ「美女の街」東京。そこで整形手術に目覚めた未帆は、手術を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。そのとき、甦ってきたのは、かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する、狂おしいまでの情念だった─。

感想

   表紙がとても印象的な本。
   かつて「モンスター」と呼ばれるほど醜かった女性が
   ある事件を起こして 生まれた町を逃げるように出て行き
   東京へ移り住んだ後 整形を繰り返し風俗で働き
   大金をためて 故郷に戻りレストランを開き
   初恋の人の訪れを待つ、というお話。

   ・・・と簡単にまとめられるほど 一直線なストーリーで
   するする読めました。
   (現在と過去のお話が 交互に語られるのですけれどね。)
   整形の技術と 美人に対する男性の心理がとてもよくわかりました。
   
   整形をして完璧な美を手に入れて
   初恋の人と会って恋に落ちても 
   それは本当の自分を愛してもらった、と言えるのか
   難しいところですね。
   

風の中のマリア  百田尚樹 ★ 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 



2009年3月発行 講談社 254p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「女だけの帝国」が誇る最強のハンター。その名はマリア。彼女の身体はそのすべてが戦いのために作られた。堅固な鎧をまとい、疾風のように飛ぶ。無尽蔵のスタミナを誇り、鋭い牙であらゆる虫を噛み砕く。恋もせず、母となる喜びにも背を向け、妹たちのためにひたすら狩りを続ける自然界最強のハタラキバチ。切ないまでに短く激しい命が尽きるとき、マリアはなにを見るのか。

感想

   ヒロインはなんとオオスズメバチのワーカー(ハタラキバチ)。
   狩りに命をかけ 母と妹たちのために働き続けます。
   その寿命は長くて30日前後。
   生後数日で 命を落としてしまうものもいます。

   ヒロインのマリアは 帝国一の戦士として ワーカーを率いていき
   帝国の繁栄を支えます。

   自分の運命に懐疑しながらも 本能に基づいて
   生き抜いた彼女の姿に 涙しました。

   作者の百田尚樹さんの作品は「ボックス!」と「永遠の0」を読みましたが
   それらと同じく 徹底的に取材をなされているようで
   オオスズメバチや その周りの虫たちの生態が
   大変詳しく書かれていて とても勉強になりました。

   でもその知識も ストーリーを邪魔することなく
   マリアやその仲間に自然と感情移入でき
   とても感動しました。 

永遠の0  百田尚樹 ★ 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 



2006年8月発行 太田出版 445p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。

感想

   号泣・・・。

   30歳前後の姉弟が 
   特攻で戦死した海軍パイロット 祖父・宮部久蔵の姿を追い求めて
   元戦友11名に話を聞いて回ります。
   次第に明らかになる 祖父の姿・・・。
   一部からは臆病者とさげすまれながらも 
   多くの人から尊敬を得ていた凄腕のパイロットが 見えてきます。
   最後にたどりついた真相に 驚愕。そして 涙。

   それにしても 描かれている戦争の悲惨なこと。
   そして 軍幹部の無能さと 兵士の命の軽さに なんともいえない
   やるせなさを感じます。
   フィクションとはいえ 恐らく書かれている戦争の様子は真実だろうと
   思います。
   多くの人に読んでもらって 戦争の無意味さをかみしめてほしいと
   思わずにいられません。

ボックス!  百田尚樹 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 



2008年7月発行 太田出版 587p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち…様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!?『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説。

感想

   高校ボクシングのルールや試合の仕組みなどが
   とても詳しく書かれているので
   アマチュアボクシングについて何も知らない私でも
   自然と本の世界にはまれました。

   天才型の鏑谷と 努力型の木樽と どちらが栄光をつかむのか・・・
   どきどきしながら 最後まで一気に読みました。
   ただ 私は木樽君のほうが好みなので
   話の重心が鏑谷君にあるのが 残念だったかな。
   
   結末は意外な感じですが これでよかったのでしょう。
   二人のうち どちらが幸せなのかな。
   二人とも それぞれの幸せを見つけたといえるのかな。