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とりあえずウミガメのスープを仕込もう。  宮下奈都  ★   



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2018年5月発行  扶桑社

【内容情報】(出版社より)

書き下ろし短編も!
本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』の著者がおくる食エッセイ

「毎月一回食べもののことを書く。食べることと書くことが、拠りどころだった気がする。」(「まえがき」より)

月刊誌『ESSE』の人気連載が、待望の書籍化!
北海道のトムラウシに1年間移住したり、本屋大賞を受賞したり……。さまざまな変化があった6年半の月日を、「食」をとおして温かく描き出す。
ふっと笑えて、ちょっと泣けて、最後にはおなかが空く。やさしく背中を押してくれるエッセイ78編に、書き下ろし短編1編を収録。全編イラストつき

【感想】

   食のことについての、それだけがテーマのエッセイなのに、
   どうしてこんなに豊かで広く深いんだろう。

   7年近く書き続けられた一編一編に、
   すごいな!と感嘆したり、鳥肌がたったり、しみじみとしたり、じーんとしたり、
   くすっとしたり、わたしも!と心強く思ったり。

   たくさんの感情をかきたてられた。

   宮下さんの他のエッセイにも登場するご家族の姿にもうれしくなる。

   宮下さんの小説『太陽のパスタ、豆のスープ』に
   「私が選ぶもので私はつくられる」という一文があるけれど、
   この本を読んでまさしくそれは宮下さんの生きる姿勢なんだなと実感した。

   書き下ろし短編小説は
   本屋大賞を受賞した宮下さんにしか書けないものだと思いました。
   読んで、いろんな、いろんなことを思います。
   アンソロジー『COLORS』に収録されてる「空の青さを」も思い出しました。

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緑の庭で寝ころんで  宮下奈都  ★   

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2017円12月発行 実業之日本社 341p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ふるさと福井で、北海道の大自然の中で、のびやかに成長する三人の子どもたち。その姿を作家として、母親として見つめ、あたたかく瑞々しい筆致で紡いだ「緑の庭の子どもたち」(月刊情報誌「fu」連載)4年分を完全収録。ほかに、読書日記、自作解説ほか、宮下ワールドの原風景を味わえるエッセイ61編、掌編小説や音楽劇原作など、単行本初収録の創作5編も収載。著者の4年間のあゆみが詰まった宝箱。

【目次】(「BOOK」データベースより)

1章 緑の庭の子どもたち 2013-2015/2章 日々のこと/3章 本のことなど/4章 自作について/5章 羊と鋼と本屋大賞/6章 緑の庭の子どもたち 2015-2017

【感想】

   これもとってもいいエッセイ集だったなあ!

   お子さんたちとのことを中心とした日常を書かれた文は
   ほんわかしたりぷぷっとしたりうるっとしたり
   自分のことを省みてはっとしたりとにかくいいし、
   本屋大賞のことを書かれた文には
   胸がいっぱいになってすごくいいし、
   本の書評はどれも読みたくなるほど
   相変わらずとてもいいし、
   掌編小説・音楽劇原作は
   その凝縮されたものがとんでもなくいいし…。

   あの魅力的な小説を書かれる宮下さんが
   どんなふうに日々を暮らし考えてらっしゃるのか
   その一端に触れられて、
   ああ~なるほどと思ったり、
   へえと意外に思ったり。

   結局ありきたりの言葉だけど
   濃密ですてきな一冊でした。

つぼみ  宮下奈都  ★   



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2017年8月発行 光文社 243p

【内容紹介】

話題作『スコーレ№4』の主人公麻子の妹・紗英、叔母・和歌子、父の元恋人・美奈子。それぞれがひたむきに花と向き合い葛藤するスピンオフ三編。(「手を挙げて」「まだまだ、」「あのひとの娘」)弟の晴彦は、高校を中退し勤めた会社もすぐに辞めて、アルバイトを転々とした後大検を受け、やっぱり働くと宣言して、いつもふらふらひらひらしている。不器用な弟と振り回される姉。そんな二人には、離婚した両親がまったく違って見えていた。(「晴れた日に生まれたこども」)どこかへ向かおうともがいている若き主人公たちの、みずみずしい世界のはじまり。凜としてたおやかに、6つのこれからの物語。

【感想】

   6つの物語。
   主人公は
   自分に懐疑的な女性、
   30年前好きだった男性の娘を前にした女性、
   自分の活ける花に自信が持てない女の子、
   ふらふらしている弟にいらいらする女性、
   母親を亡くしたばかりの男の子、
   友人の夫にそしてその友人に振り回される女性。

   その主人公たちが思い悩む姿にどきどきし、
   何かに気づき決意する姿にぞくぞくした。

   見過ごしがちな、気づかないふりをしがちな、
   そしてそれを抱え込んだら生きづらいような違和感を大切にしていて、
   はっとさせられる。

   主人公たちがこれから花開こうとする姿に、
   そんな違和感があってもいいんだよ、
   それがあるからいいんだよという気持ちにしてもらった。

   逆に、そいういうことに気がつかなきゃ、と背筋を伸ばされる。
   静かにふるいたたせられる一冊。

神さまたちの遊ぶ庭  宮下奈都  ★   



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2017年7月発行 光文社文庫 336p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

北海道のちょうど真ん中、十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシ。スーパーまで三十七キロという場所へ引っ越した宮下家。寒さや虫などに悩まされながら、壮大な大自然、そこで生きる人々の逞しさと優しさに触れ、さまざまな経験をすることになる。『スコーレNo.4』の宮下奈都が「山」での一年間を綴った感動エッセイを文庫化。巻末に、「それから」を特別収録。

【感想】

   よい!よい!
   何度読んでもよい!

   大自然の中で、
   小さなコミュニティの中で、
   生きることについての深い真摯な思いに
   背筋を伸ばされ、
   日々の楽しいエピソードや
   宮下さんの突っ込みに
   ぷぷっと笑わされ、
   そのふたつのミックス具合が絶妙で
   もはや名人芸。

   文庫に足された「それから」「あとがき」で
   なっちゃんをはじめとするトムラウシの皆さんの
   その後が知れてそれもうれしい。

   トムラウシという地域に、
   宮下家というご家族が移住されて、
   それを宮下さんが文章になさるという、
   それこそ神さまからのプレゼントのような一冊。

たった、それだけ  宮下奈都  ★   



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【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「逃げ切って」。贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃がす。告発するのは自分だというのにー。正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前に踏み出そうとする“変化”。本屋大賞受賞作家が、人の心が織りなす人生の機微や不確かさを、精緻にすくいあげる。正幸のその後とともに、予想外の展開が待つ連作形式の感動作。

【感想】

   「逃げる」ということに
   これほど肯定的な小説を他には知らない。

   『誰かが足りない』では
   「足りない」ことを肯定的にとらえていたことと通じる。

   「逃げる」からにはつらい状況があり
   そこを目をそむけずに描いていて読者もつらい。

   だけど、
   それだからこそそこからの反転に救われる。
   胸がいっぱいになる。

   そのきっかけとなる
   「たった、それだけ」のことの美しさ、尊さ。
   気づきの小説。

   そう、逃げてもいいじゃない。
   きっと何かが変わるから。

静かな雨  宮下奈都  ★   



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2016年12月発行 文藝春秋 112p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在がすべてだった行助。『羊と鋼の森』と対をなす、著者の原点にして本屋大賞受賞第一作。

【感想】

   事故にあって記憶が一日でリセットされてしまうこよみと、
   松葉杖をついている僕(行助)。

   ふたりのささやかなつつましい日常。
   けれどそれは閉じたものではなくて、
   ちゃんと世界に向き合ってる美しく凛とした日常。

   ああ、これこそ宮下さんの小説だ。

   しずかに日常を生きる二人の、
   世界との向き合い方、
   人のありように対する思いの馳せ方に
   背筋が伸びる。

   可能性は無限で、
   たとえ一日で記憶がリセットされても、
   松葉杖をついていても、
   若くはなくても、
   その無限が一割でも残っていたら
   それは無限だという気概にしびれる。

   「意識に上るかどうかは関係なく、
   経験したぜんぶのことが人をかたちづくっている」
   「毎日の生活の中での思いで
   人はできてるんじゃないかと思う」って文中にあった。

   宮下さんの小説を読むたび、
   わたしもどこか変わっていっているのだろうか。

   ぜんぜん、登場人物には届かないけれど、
   少しでもその近くにいけたらいいな、って思う。

   いつも宮下さんの小説を読んで思うことだけど、
   このデビュー作でも強く強くそう思った。
   もう50歳を過ぎたけど、
   そう、可能性は無限だ。

   このデビュー作には
   宮下さんが雑誌・文藝春秋で書いてらっしゃったように、
   その後の作品につながる種子がいっぱいあった。
   ここから始まったんだ。

   この先、
   どんな芽が出てどんな植物になってどんな花が咲いて
   どんな実を結ぶのかな。
   とても楽しみだ。

   そんな思いにさせてもらえたのは、
   こうやって本になって読み返せたおかげだ。

   美しい内容、美しい文章にふさわしい、
   美しい装丁の一冊。
   また本棚の宝物が増えた。

終わらない歌  宮下奈都  ★   



終わらない歌

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著者:宮下奈都
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2015年10月発行 実業之日本社文庫 280p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

声楽を志して音大に進学した御木元玲は、自分の歌に価値を見いだせず、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏は、なかなかオーディションに受からない。惑い悩む二十歳のふたりは、突然訪れた「若手公演」の舞台でどんな歌声を響かせるのか。名作『よろこびの歌』の三年後を描き、宮下ワールド屈指の熱量を放つ青春群像劇、待望の文庫化!

【感想】

   文庫にて再読。
   やっぱり凄い。

   彼女らが自分の進む道に悩む姿の切実さ。
   自分だけの道を見つけて再び歩き出す姿の
   エネルギーと美しさ。
   そして
   歌のパワー。

   それらが渾然一体となった瞬間を目の当たりにできる
   幸福な、心沸き立つ読後感は格別。

   どの章も好きだけれど
   「スライダーズ・ミックス」と「コスモス」の章が特に好き。

羊と鋼の森  宮下奈都  ★   



羊と鋼の森

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著者:宮下奈都
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2015年9月発行 文藝春秋 243p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

【感想】

   読んでいる途中、ずっと、
   いいな、って思っていた。

   そして、読み終えて、
   すごくいいな、って思った。

   これ、と思えることを見つけられたこと、
   それに誠実に取り組むこと、
   つまづいてもあきらめないほどの「好き」があること、
   ついていきたい人打ち込みたい人を見つけられたこと、
   自分の中にある美しさに気づけたこと、
   そして、
   音楽や自然の美しさ。

   なんか、もうもう、ぜんぶいいな、って思った。

   北海道の山から出てきて
   ピアノの調律に出会った青年の話。

   圧倒的な「肯定」や「愛」のある話。

   青年を応援しながら読んでいるようでいて、
   その実、自分が応援されていたことに、
   読み終えて気づいた。

   宮下さんの中には、
   いったいどれだけの、
   人や音楽や自然に対する愛があるのだろうと、
   読み終えてふるえた。

   すごくすごくよかった。
   すごくすごく励まされた。

窓の向こうのガーシュウィン(文庫)  宮下奈都  ★   



窓の向こうのガーシュウィン

窓の向こうのガーシュウィン
著者:宮下奈都
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2015年5月発行 集英社文庫 257p

【内容情報】(出版社より)

家出した父、家庭を顧みない母。ずっと欠落感を抱えて生きてきた“私”だったが、ふとしたきっかけで出会った額装屋の仕事に惹かれ、次第に心を開くようになる──。等身大の成長小説。(解説/植田真)

【感想】

   文庫になった『窓の向こうのガーシュウィン』。
   ずっとどきどきしながら読み、
   そして、今、
   しあわせな気持ちになっています。

   19年間、
   何かが足りないと思いながら生きてきた佐古さんが、
   先生やあの人や隼、額装と出会い、
   だんだんくっきりと変わっていく様子。

   佐古さんの見るもの、触れるもの、
   そして何よりも聞く音、感じること。

   それらささやかなものたちが
   丹念に描かれた文章にどきどきし、
   ラストシーンで
   佐古さんの心がばばーっと広がる様子にため息です。

   小さなものへの愛おしい想いにあふれていました。
 
   解説は、
   この物語にぴったりの
   カバー絵や挿画を描かれた植田真さん。
   こちらもまた、素晴らしかったです。

神さまたちの遊ぶ庭  宮下奈都  ★   



神さまたちの遊ぶ庭

神さまたちの遊ぶ庭
著者:宮下奈都
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2015年1月発行 光文社 281p

【内容紹介】

わくわくどきどき奮闘する日々、北海道に移り住んだ宮下家一年の記録

小中学生三人を連れて、福井からトムラウシに移り住んだ宮下家。
そこは「神々の遊ぶ庭」と呼ばれる、大自然に抱かれた別天地。
小さなコミュニティの中で、家族それぞれが大切なことを感じた、春夏秋冬一年の記録。

【感想】

   は~、面白かった!

   十勝・大雪山国立公園にあるトムラウシで
   一年間暮らした宮下家。

   毎日の驚きに満ちた生活や
   お子さんたちの成長や
   周りの方々との交流や
   自然の様子や、
   それについて宮下さんが感じられたことが
   ユーモアたっぷりに語られとても面白かった!

   語り口が緩急自在で、
   ふっと笑いをとる’間’が絶妙で
   すごいな~。

   でも面白いだけじゃなく
   とても深く鋭く密度が濃くて
   宮下さんやご家族が過ごされた
   かけがえのない一年間が
   ずんずん響いてきて、
   胸がいっぱいになった。

   素敵だ宮下家。
   素敵だトムラウシの皆さん。

   この可愛らしい本の中には、
   すごいものがたくさん詰まっています。