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虹のまちの想い出  光原百合



きらめくようなイラストとともに、ウィリアム・ギロックの曲にのせて描かれる幻想短篇集。ギロックの世界が堪能できるCD付き書籍。


虹のまちの想い出

2011年5月発行 PHP研究所 125p 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

知られざる名曲を聴きながら、物語の世界を堪能する贅沢な読書体験。音楽教育界のシューベルト“ウィリアム・ギロック”の曲に魅せられた三人のアーティストが夢の共演!ピアニスト小原孝による貴重な演奏CD付き。

【目次】(「BOOK」データベースより)

森のざわめき/海の風景/十月の朝/荒れ果てた舞踏室/伝説/間奏曲/人魚の歌/夏の嵐/色あせた手紙/とんぼ〔ほか〕

感想 

   小原孝さんが奏でる
   ギロックの「叙情小曲集」の24曲と「終奏曲・想い出」の調べに
   光原百合さんが 夢見るような掌編の童話を、
   鯰江光二さんが きらきらしたイラストをつけた
   短編集。

   ちょうど1曲を聴く間に
   それぞれのお話を読み終えられるように
   童話の長さの工夫もされているようです。

   曲のタイトルや持つイメージにぴったりの
   童話に わくわくしたり ほろりとしたり。
   光原さんの 音楽から物語を紡ぎだす想像力に感嘆。

   「虹のまち」という
   不思議なことが普通に起こる町。
   森の精霊が人間の青年を見初めたり、
   夏至の夜には海にとられた子が帰ってきたり、
   町のはずれの古城では 誰かの帰りをまって
   亡霊たちの舞踏会が開かれたり、
   いつも時間があっていない花時計があったり・・・。

   軽やかなピアノの音色を聴いて
   イラストをながめて
   しばし 虹の町の住人になりました。

   ギロックの『叙情小曲集』。
   練習してみようかな。

   
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遠い約束  光原百合 「今日どんな本をよみましたか?(197361)」 

遠い約束.jpg

2001年3月発行 東京創元社 283p(文庫)

【内容紹介】 (「BOOK」データベースより)

駅からキャンパスまでの通学途上にあるミステリの始祖に関係した名前の喫茶店で、毎週土曜二時から例会―謎かけ風のポスターに導かれて浪速大学ミステリ研究会の一員となった吉野桜子。三者三様の個性を誇る先輩たちとの出会い、新刊の品定めや読書会をする例会、合宿、関ミス連、遺言捜し…多事多端なキャンパスライフを謳歌する桜子が語り手を務める、文庫オリジナル作品集。

感想

   大学のミステリ研究会に入部した桜子と
   3人の男子先輩のお話。
 
   3人の先輩とは
   荒っぽい猪突猛進型の黒田先輩と
   穏やかで良識派の清水先輩と
   冷酷で頭が切れて美形の若尾先輩。
   ・・・と まぁ類型的といえるかもしれませんが
   いいチームワークです。

   桜子の大叔父が残した遺言に関するお話をメインに
   そのほかに 温泉の密室で消えた指輪、
   聴衆の面前で倒れたミステリ作家、
   時を超えて届いたかもめーる、
   に関する3つの謎解き。

   謎解き自体は 私でもわかったのもあり
   簡単ですけれど
   解決までのあれこれが楽しい一冊。
   大阪弁の調子良さもあって
   気持ちよく読めました。

   続編が書けそうですが 出てませんよね?
   表紙絵を描かれた野間美由紀さんが
   各短編の先頭にもイラストを描かれているのですけれど
   どうしても古臭く(9年前の本ですし)
   登場人物のイメージが固定されるので ちょっと邪魔かしら。

星月夜の夢がたり  光原百合 「今日どんな本をよみましたか?(197359)」 


星月夜の夢がたり

単行本版 2004年5月発行 文藝春秋 158p
文庫本版 2007年7月発行 文藝春秋 166p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

遠い昔の思い出や、幼い頃に聞いたお伽噺、切ない恋の記憶…。夢のかけらのような32篇の小さな物語を、ファンタジックなイラストで彩った、宝石箱のような絵本。ミステリーの書き手としても注目される著者の原点である、詩人、童話作家としての素顔の垣間見える作品集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

星夜の章(春ガキタ/塀の向こう/カエルに変身した体験、及びそれに基づいた対策/暗い淵/地上三メートルの虹/ぬらりひょんのひみつ/三枚のお札異聞/いつもの二人/もういいかい/絵姿女房その後/遙かな約束)/月夜の章(海から来るモクリコクリ/鏡の中の旅立ち/萩の原幻想/かぐや姫の憂い/赤い花白い花/チェンジ/エンゲージリング/無言のメッセージ/お天気雨/隠れんぼ/天馬の涙)/夢夜の章(ある似顔絵描きのこと/真説耳なし芳一/大岡裁き/いなくなったあたし/トライアングル/天の羽衣補遺/大食いのこたつ/目覚めの時/アシスタント・サンタ/遙か彼方、星の生まれるところ)

感想

   光原百合さんのショート・ショート。
   カラーイラストとあいまって 宝石箱のようなかわいく
   綺麗な作品でした。
   
   切なかったり不思議だったり・・・
   でもどれも温かいお話が続きます。
   お伽噺のその後や異聞を書いたものも入っているのですが
   興味深く読ませてもらいました。
   (「天の羽衣補遺」がおかしい!)

   手元において 寝る前にひとつずつ読むと
   素敵な夢が見れそうです。   

扉守 潮ノ道の旅人  光原百合 ★ 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 


扉守

2009年11月発行 文藝春秋 268p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

瀬戸の海と山に囲まれた懐かしいまち・潮ノ道にはちいさな奇跡があふれている。こころ優しい人間たちとやんちゃな客人が大活躍。待望の、煌めく光原百合ワールド。

【目次】(「BOOK」データベースより)

帰去来の井戸/天の音、地の声/扉守/桜絵師/写想家/旅の編み人/ピアニシモより小さな祈り

感想

   光原さんの新作は現代の日本が舞台です。
   瀬戸内の潮ノ道には 不思議な力があつまっています。
   そして 不思議な旅人たちも集まってきます。

   日本の風景や風俗や民話などを
   土台にした素敵なファンタジー7編。

   7編に共通して出てくるのは
   了斎さんというふざけた住職さんとそのご家族ぐらい。
   (ちょろっと他の人も掛け持ちしていますが)
   この了斎さんが いい味出しています。

   各編の中心人物は若い人たち。
   不思議な力を持つ旅人との触れ合いの中で
   それぞれ成長していく様も ほほえましい。

   どこか懐かしくて 清々しくて
   前向きな力もくれるお話でした。
   こんな町に住んでみたいな。

   光原さん自身の後書きによると 
   シリーズ化も考えられているそうで
   今後の展開を楽しみに待ちたいです。 

イオニアの風  光原百合 ★ 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 


イオニアの風

2009年8月発行 中央公論新社 369p(2段組)

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

偶然のいたずらで“意志”を得た人間たちは、長きにわたり互いに争い血を流し続けていた。時に罰し、時に救い、人間の歴史に介入してきたオリュンポスの神々は、ついに、人間に三つの試練を与え自らの道を選ばせることを決める。運命が用意した試練は、トロイア戦争を巡るふたつ。そして、強大な魔物を巡るひとつ─。人間の未来を拓くため、最後にして最大の難関に挑む、英雄の子テレマコスと美しき吟遊詩人ナウシカアの運命は!?神々の時代から人間の時代から人間の時代へと移りゆく世界を舞台に描く、壮大な愛と冒険の物語。

感想

   面白かったです!
   子どもの頃に読んだ「ギリシア物語」や「オデュッセウス物語」よりも
   さらに神々が人間臭く 個性的でした。
   テレマコスの単純で無鉄砲なところや
   戦の神さまアレスの苦々しい様子も
   いいけれど
   やっぱりお調子者のヘルメスが一番素敵でした♪

   長いけれど読みやすいので 中学生から(達者な子なら小学上級生から)
   充分楽しめると思います。

銀の犬  光原百合 ★ 「今日どんな本をよみましたか?(197358)」 



単行本版 2006年6月発行 角川春樹事務所 354p
文庫本版 2008年5月発行 角川春樹事務所 380p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

人々に降りかかる災厄を打ち払う「祓いの楽人」オシアン。その名は伝説の祓いの楽人と同じであり、その人間離れした音楽の才を妖精の女王ニアヴに愛され、妖精のあいだにしか伝わらないはずの数々の歌を全て口伝えに授けられたとされる人物だった。オシアンは、相棒のブランとともに世界中を旅し、この世に未練を残した魂や悪鬼、「愛を歌うもの(ガンコナー)」たちを、彼の竪琴が奏でる調べで救っていく…。ケルト民話と著者の独特の世界観が作り上げる、切なく、悲しいファンタジーミステリー。

【目次】(「BOOK」データベースより)

声なき楽人/恋を歌うもの/水底の街/銀の犬/三つの星

感想

   哀しくて美しいファンタジー。
   美青年のオシアンと元気な少年ブランが この世に未練を残している
   人たちを 竪琴の調べにのせて あの世に送っていきます。
   あとがきによると 続編も構想中だそうで
   楽しみに待ちたいと思います。