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赤猫異聞  浅田次郎   



火事と解き放ちは江戸の華。鎮火後三人の囚人が共に戻れば無罪放免、一人でも逃げれば死罪に・・・激変の時をいかに生きるかを問うた、傑作時代小説。

赤猫異聞

赤猫異聞
著者:浅田次郎
価格:1,575円(税込、送料込)
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2012年8月発行 新潮社 281p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

火勢が迫る伝馬町牢屋敷から解き放ちとなった曰くつきの重罪人ー繁松・お仙・七之丞。鎮火までいっときの自由を得て、命がけの意趣返しに向かう三人。信じられない怪事が待ち受けているとは、知る由もなく。-幕末から明治へ。激変の時をいかに生きるかを問う、最新長編時代小説。

【感想】

   明治元年年末、
   火事により伝馬町牢屋から囚人たちが解き放ちに。

   戻りの刻限までに、
   曰くつきの3人の重罪人は
   何をし、何を思ったのか。

   それぞれの語りにより進められる3日間の物語。
   次第にある人物の行動が明らかに。

   江戸っ子の心意気・人情を堪能。
   さすが。

降霊会の夜  浅田次郎 



【文学/日本文学小説】謎めいた女の手引きで降霊の儀式に導かれた初老の男。死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が魂の遍歴の末に見たものは……。至高の恋愛小説であり、一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚ーー。まさに浅田文学の真骨頂!


降霊会の夜

2012年3月発行 朝日新聞出版 292p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

罪がない、とおっしゃるのですかー死者と生者が語り合う禁忌に魅入られた男が見たものとは…。至高の恋愛小説であり、第一級の戦争文学であり、極めつきの現代怪異譚。

感想 

   別荘地の嵐の夜、見知らぬ女に導かれた先で
   降霊会がはじまる。
   出会ったのは9歳、19歳の時の友人たち。
   主人公の知らなかったこと、気づけなかったこと、
   気づこうとしなかったことが明らかになって、
   という人情話。
   当時の世相にのせて語られます。

   昔の真実を聞いたからどうなの、っていう
   つっこみはあるかも。

   ただ、物事は表面に表れていることだけじゃなくて
   どうしようない真実っていうのがあるんだな、と。

   語り口がするするとたいへん読みやすかったです。

   最初の話が戦後すぐのことかと思ってたら
   昭和35年のこととわかりびっくり。
   私の生まれる3年前だけれど
   あのころ戦争の名残なんて何もなかったと思うのに、
   すごく戦後ということを強調していてへぇ〜と。

   東京と関西では違ったんだろうか。
   それとも3年で劇的に変化したのだろうか。


一刀斎夢録  浅田次郎  




一刀斎夢録(上)


一刀斎夢録(下)

2011年1月発行 文藝春秋 上巻368p 下巻384p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

新選組三番隊長・斎藤一。鳥羽伏見、甲州、会津。そして死に場所を求め、男は西南戦争へ。血風録の中心にあった男が語る、幕末維新と寄る辺ない少年の運命。

悪鬼の所業と言わば言え。土方の遺影を託された少年隊士と斎藤。二人の縁は慟哭の結末へ。浅田版新選組の真骨頂。

感想

   西南の役の後 斉藤一が 
   新選組の隊士たちが 死に場所を求めて転々とさすらう姿を
   語ります。

   京都の街を 肩で風を切り歩いていた新選組ではなく
   鳥羽伏見の戦いのあと 敗戦続きだった彼らが
   それぞれの生き方の集大成として
   あるべき死に方を求め続ける姿が語られ
   侍の世が終わっていくやるせなさを感じました。

   どうしても 大河ドラマの「新選組!」の
   キャストが頭の中をうろうろしてしまいましたが
   それもまた 楽しかったです。

   ただ斉藤一さんのイメージは オダギリジョーさんではなく
   映画「壬生義士伝」の佐藤さんでした。

   

マンチュリアン・リポート  浅田次郎  


マンチュリアン・リポート

2010年9月発行 講談社 303p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

昭和3年6月4日未明。張作霖を乗せた列車が日本の関東軍によって爆破された。一国の事実上の元首を独断で暗殺する暴挙に昭和天皇は激怒し、誰よりも強く、「真実」を知りたいと願った─。混沌の中国。張り巡らされた罠。計算と誤算。伏せられた「真実」。

感想

   『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』『中原の虹』につづく
   「蒼穹の昴シリーズ」(というそうな。)の最新刊。

   『中原の虹』の圧倒的な主人公であった
   張作霖はいかにして爆殺されたのか。

   昭和天皇の密命を受けた志津陸軍中尉は
   北京にとび そこから奉天へと往復する中で
   関係者に取材し 事件の真実をさぐり
   天皇へ報告書を送る。
   
   また 張作霖が故郷へ帰るために乗った
   豪華な蒸気機関車のモノローグが間にはさまれ
   張作霖のその日の姿が静かに描かれていきます。

   清の残党・国民党・関東軍・日本政府など
   入り乱れる情勢が次第次第に解き明かされるいく様に
   静かな興奮を呼び起こされました。

   最後に懐かしい人物も出てきて満足。
   まだシリーズは続くのかな。
   再見! 

終わらざる夏  浅田次郎 ★ 


終わらざる夏(上)


終わらざる夏(下)

2010年7月発行 集英社 上巻467p 下巻458p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

第二次大戦末期。「届くはずのない」赤紙が、彼を北へと連れ去った─。北の孤島の「知られざる戦い」。あの戦いは何だったのか。着想から三十年、著者渾身の戦争文学。

できることはもう何もない。戦場を走るほかには。たとえそこが、まやかしの戦場でも。美しい島で、あの夏、何が起きたのか─。何を信じ、何を守る─。人間の本質に迫る戦争巨編、堂々完結。

感想

   読み終わりつつ号泣した。
   
   終戦間近の夏。
   千島列島最北端の島には 来るべきアメリカとの決戦に備えて
   陸軍の精鋭部隊が配備されていた。
   日本の敗戦が濃厚になったことから
   スムーズな和平交渉のため 通訳として
   兵役年齢ぎりぎりの編集者・片岡が送り込まれることになった。
   片岡一人だけを送り込んだのでは
   「和平交渉のため」という意図が見えてしまうため
   粉飾のため 青年医師・菊池と 歴戦の軍人・鬼熊軍曹が
   共に送られる。

   そして8月15日の玉員放送。
   その後にやってきたのはアメリカ軍ではなくソ連軍。
   しかも 和平交渉のためではなく
   戦争を行うために。

   ともに同じ岩手・盛岡出身の3人を中心として
   終戦を迎えようとする、また迎えたはずの
   日本を生きる多くの人々が語られ続ける
   上下巻合計925ページ。

   大本営で動員計画を立てる軍人。
   盛岡で徴兵すべき人物を選び出す役人。
   戦車に魅せられて 戦車兵に志願した少年。
   妻を満州に置いてきた老兵。
   南方ガダルカナルで輸送船を扱い「不死身」と称されるようになった
   今は千島でやはり輸送船を扱っている上等兵。
   人知れず和平交渉を成功させるべく島にやってきた上層部参謀。

   また 片岡の妻や子。
   片岡の子が疎開した先の教員や仲間。
   北の島で鮭の缶詰を作るために動員された
   函館出身の女子高生たち。

   その他の多くの人々。

   日本人全員が大本営の独断で
   戦争へと拉致されていった結果の敗戦。
   
   その敗戦前後の絶望的な毎日の中
   それぞれの覚悟を持って それぞれの最善を尽くそうとした
   人々の美しい行いが積み上げられている作品でした。

   「この戦争の真の悲劇は敗戦ではない。
    国民の意思にかかわらず戦が始まり、
    それを国民の意志と断定して継続したあげくに、
    敗けたのだ。
    すべての民主的な手続きを無視し、勝手に戦い、
    勝手に敗けた。」(本文下巻381ページ)

ハッピー・リタイアメント  浅田次郎  


ハッピー・リタイアメント

2009年11月発行 幻冬舎 302p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

定年を四年後に控えた、しがない財務官僚・樋口慎太郎と愚直だけが取り柄の自衛官・大友勉。二人が突如再就職先として斡旋されたJAMS(全国中小企業振興会)は、元財務官僚の理事・矢島が牛耳る業務実体のない天下り組織。その体質に今イチ馴染めない樋口と大友は、教育係となった秘書兼庶務係の立花葵から、ある日、秘密のミッションを言い渡される…。

感想

   浅田さんの 滑稽路線のお話。
   天下りや 官僚組織や 役人気質やらに 皮肉をきかせつつ
   でも元役人の樋口と大友は 良い人に描いて バランスもとられていて
   面白おかしく 読みました。   

   人の良心も捨てたものではないと思わせてくれる作品。
   3人のこれからが ハッピーでありますように。


夕映え天使  浅田次郎  



2008年12月発行 新潮社 248p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

さびれた商店街の、父と息子二人だけの小さな中華料理店。味気ない日々を過ごす俺たちの前に現れた天使のような女・純子。あいつは線香花火のように儚い思い出を俺たちに残し、突然消えてしまった。表題作「夕映え天使」をはじめ、「切符」「特別な一日」「琥珀」「丘の上の白い家」「樹海の人」の6編の短篇を収録。特別な一日の普通の出来事、日常の生活に起こる特別な事件。

【目次】(「BOOK」データベースより)

夕映え天使/切符/特別な一日/琥珀/丘の上の白い家/樹海の人

感想

   ほろ苦い人生のお話。
   「特別な一日」は 定年の日のお話かと思っていたら・・・
   びっくりしました。

中原の虹 第四巻  浅田次郎  ★ 




2007年11月 発行

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「答えろ。なぜ宦官になどなった」「将軍はなにゆえ、馬賊などにおなりになられたのですか」最後の宦官になった春児と、馬賊の雄・春雷。極貧の中で生き別れた兄弟は、ついに再会を果たし、祖国は梁文秀の帰国を待ち望む。龍玉を握る張作霖。王座を狙う袁世凱。正義と良識を賭けて、いま、すべての者が約束の地に集う。ついに歴史が動く。感動の最終章。

感想

   「蒼穹の昴」に続く大河歴史ロマン完結。
   清朝の滅亡の哀しみと 新しい中国の誕生の苦しみと躍動にあふれています。
   今作の主人公は 張作霖。過去の英雄とシンクロさせた物語作りもさすが。
   前作主人公の春児と春雷の再会 春雷と怜怜の再会にも涙。
   西太后と袁世凱についての印象も変わりました。

月島慕情  浅田次郎  ★ 



出版社 / 著者からの内容紹介
三十を過ぎた吉原の女郎・ミノにふってわいた“幸運”。自分にふさわしい幸せを見つけた彼女の人生の選択とは? “感動無限大”短篇集

目次: 月島慕情;供物;雪鰻;インセクト;冬の星座;めぐりあい;シューシャインボーイ

中原の虹 第三巻  浅田次郎  ★ 



【内容情報】(「BOOK」データベースより)

相次ぐ革命勢力の蜂起に、一度は追放した袁世凱を呼び戻す皇族。だが俗物、袁世凱には大いなる野望があった。満洲では張作霖が、まったく独自の勢力を形成していき―。龍玉を握る張作霖は乱世を突き進み、新しい時代が、強き者の手で拓かれる。


   第四巻は11月刊行予定。ついに完結!はやく~。