玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ 木下龍也・岡野大嗣
2017年12月発行 ナナロク社 134p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
男子高校生ふたりの七日間をふたりの歌人が短歌で描いた物語、二一七首のミステリー。最注目の新世代歌人、初の共著。
【感想】
歌集。
二人の歌人が二人の男子高校生になったという設定で
7月1日からの一週間を詠んでいる。
あーこの感覚知ってる!って悔しくなったり、
うわぁそうだよな~って納得したり、
ええっ何言ってんのって不穏な気持ちになったり。
こんな世界があるんだ。
短歌って切り取りかた表現の仕方がすごいなあ。好きだ。
帯にあるミステリーという設定は
ちょっとわかるようでわからなかったけれど。
特典としてついていた舞城王太郎さんの掌編2編も
(こちらは女子高校生が主人公)最高だった。
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- [2019/01/13 15:48]
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犬も食わない 尾崎世界観・千早茜
2018年10月発行 新潮社 240p
【内容情報】(出版社より)
どんなに一緒にいても、こんなにも分かり合えないのは何故ーー? 「結婚とか別れ話とか、面倒な事は見て見ぬふりでやり過ごしたい」「ちゃんと言ってよ。言葉が足りないから、あたしが言い過ぎる」--脱ぎっ放しの靴下、畳まれた洗濯物、冷えきった足、ベッドの隣の確かな体温。同棲中の恋人同士の駆け引きを、クリープハイプ・尾崎世界観、千早茜が男女それぞれの視点で描く共作恋愛小説。
【感想】
二人の共作による恋愛小説。
相性がいいとはとても思えない二人の
、恋愛小説と銘打っているのに甘やかなところが何ひとつなく、
肝心のところをはぐらしたかのような話の進め方に、
いらいらしたけれどどうしても目と心が離せなかった。
面白かった。
- [2018/11/22 12:57]
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作家たちのオリンピック 五輪小説傑作選
2018年9月発行 PHP文芸文庫 345p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
人気作家七人の手にかかれば、こんなに意外なオリンピックの魅力が見えてくる!-オリンピックは出場選手だけのものではない。誘致に名乗りを上げる地域や主催団体、現地で観る人やテレビを通しての観客、そして興味の有無にかかわらず国を挙げた一大イベントに影響を受ける者たち…。熱い感動作から世相を絡めた風刺的な作品まで、本書のための書き下ろしや書籍未収録作を含む、前代未聞の傑作アンソロジー。
【目次】(「BOOK」データベースより)
硫黄島に死す(城山三郎)/ひなまつり(浅田次郎)/名古屋オリンピック 1981930(奥田英朗)/ブラック・ジャパン(赤瀬川隼)/肉詰めピーマンとマットレス(小川洋子)/平和的祭典北京五輪(海堂尊)/オリンピックを知らない僕達へ(額賀澪)
【感想】
「オリンピック」をテーマにしたアンソロジー。
でも競技の様子そのものを描いているのはなくて、
それぞれ一工夫も二工夫もあり、
バラエティに富んでました。
- [2018/10/08 10:04]
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鍵のかかった部屋
2018年8月発行 新潮文庫 304p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
これが、トリックです。本来ネタバレ厳禁の作中トリックを先に公開してミステリを書くという難題に、超豪華作家陣が挑戦!鍵と糸ー同じトリックから誕生したのは、びっくりするほど多彩多様な作品たち。日常の謎あり、驚愕のどんでん返しあり、あたたかな感涙あり、胸を締め付ける切なさあり…。5人の犯人が鍵をかけて隠した5つの“秘密”を解き明かす、競作アンソロジー。
【目次】(「BOOK」データベースより)
このトリックの問題点(似鳥鶏)/大叔母のこと(友井羊)/神秘の彼女(彩瀬まる)/薄着の女(芦沢央)/世界にただひとりのサンタクロース(島田荘司)
【感想】
ありふれたトリック
「サッシのクレセント錠に紐をかけて
部屋の外からひっぱり密室を作る」を使うという縛りのアンソロジー。
作家さんそれぞれ味わいやトリックの生かし方が違って、
面白いもんだなぁ。
- [2018/10/05 10:00]
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ほんのきもち 朝吹真理子・他
2018年6月発行 扶桑社
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
贈りものには福がある。愛しくて、可笑しくて、ちょっと切ない、ちいさな贈りものがたり。16人のエッセイ&コミック&ショートストーリー。
【目次】(「BOOK」データベースより)
ドアに掛けるお福分け(平松洋子)/ダンナの祖母がくれたもの(木皿泉)/いちごという小さな特別(今日マチ子)/おかき事件(朝吹真理子)/手土産選びー生まれた町と暮らす町(甲斐みのり)/贈りものがたり(いしいしんじ/小林エリカ/坂木司/藤野可織)/ごはんの友々(オカヤイヅミ)/贈りものコンプレックスのあなたへ(文月悠光)/きらきらゼリー(彩瀬まる)/とっておきの一冊(鹿子裕文)/小歳暮のたのしみ(佐藤ジュンコ)/贈り下手・贈られ下手(桜木紫乃)/天使の名前の犬のこと(乾ルカ)
【感想】
16人の作家さんによる贈り物についての
エッセイ・ショートストーリー・コミック。
それぞれの贈り物に対する思いに
ぐっときたり、くすっとしたり、
紹介されているものを食べたくなったり。
中でも乾ルカさんのエッセイがたまらんかったです。
- [2018/09/12 10:24]
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ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 上橋菜穂子・津田篤太郎
![]() ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話 [ 上橋 菜穂子 ] |
2017年10月発行 文藝春秋 192p
【内容情報】(出版社より)
世界的な物語作家と聖路加の気鋭の漢方医が打ち合う、生命を巡る白熱のラリー!
『精霊の守り人』から医学の未来まで、知的好奇心を刺戟する圧倒的な面白さ!
なんのために生まれ、なんのために生き、なんのために死ぬのか。
人は、答えが出ないとわかっている問いを、果てしなく問い続けるような脳を与えられて、生まれてきたのでしょうか。--上橋菜穂子
なんのための生なのか、という問いは、いささか弱音のようにも聞こえるのですが、この弱音こそが、優れた物語の書き手である上橋さんの「創作の源泉」であるように私には見えてくるのです。--津田篤太郎
最愛の母の肺がん判明をきっかけに出会った作家と医者。
二人の話は、身体のシステム、性(セックス)、科学・非科学、自然災害、宗教、音楽、絵画、AI、直感……、漫画から古典、最新の論文にいたるまで縦横無尽に広がっていき、物語の創作の源泉もひもとかれていく。かつてないほど刺激的な思考体験ができる究極の一冊!
【感想】
「なんのために生まれ、なんのために生き、なんのために死ぬのか」
についての往復書簡。なんだけど、
話題はストレートにそこを目指すのではなく
昆虫、宗教、自然、遺伝子、病、性、オーストラリア先住民、AIなどの
話題をたゆたいながら、
徐々にその輪郭をつかもうとしていくのが心地よく、
この問題の奥深さを表しているんだなあとすとんと思った。
「死ぬと分かっている生を生きている」
その理由に対するひとつの考え方を
ありがたく受け取りました。
- [2018/01/10 10:27]
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私たちの星で 梨木香歩、師岡カリーマ・エルサムニー ★
![]() 私たちの星で [ 梨木香歩 ] |
2017年9月発行 岩波書店 168p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ロンドンで働くムスリムのタクシー運転手やニューヨークで暮らす厳格な父を持つユダヤ人作家との出会い、カンボジアの遺跡を「守る」異形の樹々、かつて正教会の建物だったトルコのモスク、アラビア語で語りかける富士山、南九州に息づく古語や大陸との交流の名残…。端正な作品で知られる作家と多文化を生きる類稀なる文筆家との邂逅から生まれた、人間の原点に迫る対話。世界への絶えざる関心をペンにして、綴られ、交わされた20通の書簡。
【目次】(「BOOK」データベースより)
梨木香歩より師岡カリーマ・エルサムニーへ(共感の水脈へ/変わる日本人、変わらない日本人/個人としての佇まい/繋がりゆくもの、繋いでゆくもの/今や英国社会の土台を支えている、そういう彼らを ほか)/師岡カリーマ・エルサムニーより梨木香歩へ(行き場をなくした祈り/渡り鳥の葛藤/人類みな、マルチカルチャー/オリーブの海に浮かぶバターの孤島に思うこと/境界線上のブルース ほか)
【感想】
だーー。
素晴らしすぎて、自分が恥ずかしくなる。
イスラームのことを学びたいという梨木さんの希望で始まった
往復書簡20通。
多様性の容認、他者への敬意、
それらをふまえた自身の確立が、
様々なエピソードの中で綴られる。
相手の手紙の内容をしっかり受け取って
そこにさらに自分の解釈を加えて…という繋がり広がりが、
往復書簡という形式ならでは。
お二人の互いを尊重しあう姿勢、
そして美しい文章がとても気持ちいい。
何度も読んで
異質なものを排除攻撃しようとする社会の潮流の中で
立ち止まる指針としたい。
- [2017/11/13 09:35]
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七人の名探偵
![]() 7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス) [ 綾辻 行人 ] |
2017年9月発行 講談社ノベルス 304p
【内容情報】(出版社より)
テーマは「名探偵」。7編の傑作誕生!
綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
歌野晶午「天才少年の見た夢は」
法月綸太郎「あべこべの遺書」
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件ーー」
- [2017/10/06 09:14]
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きみは嘘つき
![]() きみは嘘つき (ハルキ文庫) [ 彩瀬まる ] |
2017年8月発行 ハルキ文庫 244p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
どうして私たちは、嘘ばかりつくんだろうー(「花が咲くまで待って」)。思いがけず再会した初恋の人(「恋の値段」)。婚約者とともに故郷を訪れた美しい姉(「ランドクルーザー田園を行く」)。父と子の秘密と冒険(「ユウマ」)。嘘でつながるふたりの少女(「読書する女の子」)。老舗喫茶店でくり広げられる、ある夏の一日(「純喫茶パオーン」)。六人の女性作家が描く、それぞれの嘘。贅沢なアンソロジー。
【目次】(「BOOK」データベースより)
恋の値段(寺地はるな)/ランドクルーザー田園を行く(額賀澪)/ユウマ(中澤日菜子)/読書する女の子(加藤千恵)/純喫茶パオーン(椰月美智子)/花が咲くまで待って(彩瀬まる)
【感想】
6人の女性作家による、嘘にまつわるアンソロジー。
哀しい嘘、痛快な嘘、苦し紛れの嘘、他人を慮っての嘘…。
いろんな嘘つきさんがいて、面白かった。
できるだけ正直に生きようと思うけれど
嘘ってついちゃう。
他の人もそうなのかも、って思った。
参加作家さんは
寺地はるな、額賀澪、中澤日菜子、加藤千恵、椰月美智子、彩瀬まるという
旬な皆さんです。
椰月さんの描く男の子、彩瀬さんの描く女の子は、
さすがだなあと思いました。
加藤さんのはその後を思うと怖いです。
- [2017/08/27 22:10]
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走る?
![]() 走る? (文春文庫) [ 東山 彰良 ] |
2017年8月発行 文春文庫 272p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
人生は走ることに似て、走ることは人生に似ているー。芥川・直木賞作家から青春エンタメ小説の名手まで、類を見ない豪華メンバーが“走る”をテーマに競作した短編14作、ここに集合!人が次の一歩を踏みだそうとする時、その背中をそっと押してくれる、バラエティー豊かな作品が目白押し。異色のアンソロジーをご堪能あれ。
【目次】(「BOOK」データベースより)
パン、買ってこい(中田永一)/ベランダと道路(柴崎友香)/ホープ・ソング(王城夕紀)/熊の夜戦(佐藤友哉)/桜の並木の満開の下(遠藤徹)/いびきが月に届くまで(前野健太)/藤村加奈芽のランニング・ストーリー(古川日出男)/走る男(岩松了)/飛田姉妹の話(小林エリカ)/リスタート(恒川光太郎)/小さな帝国(服部文祥)/ずぶ濡れの邦彦(町田康)/誰にだって言いぶんはある(桜井鈴茂)/或る帰省(東山彰良)
【感想】
14人の作家さんが参加したアンソロジー。
同じ「走る」ことをテーマにしていても
作家さんによってとても違うものができるんですね。
青春小説から、ファンタジーまで。
「走る?」って聞かれたら「走らない」って答える私だけど、
読んでいて楽しかったです。
「パン、買ってこい」(中田永一)、「ずぶぬれの邦彦」(町田康)、
「或る帰省」(東山彰良)が特に好きかな。
- [2017/08/22 23:08]
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