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U (ウー)  皆川博子  ☆   



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U [ 皆川 博子 ]
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2017年11月発行 文藝春秋 424p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

1915年、ドイツ。第一次世界大戦ー。イギリスを中心とする連合国に追い詰められたドイツ帝国海軍は、Uボートに捕虜救出作戦を命じた。敵の機雷網や爆雷を潜り抜け、決死の作戦を完遂できるか。英仏海峡を越える任務に命を懸けた兵士たちの矜持。1613年、オスマン帝国。中世ヨーロッパー。最後の輝きを見せるオスマン帝国で、豪華絢爛な宮廷生活をおくる王に、捕らわれた少年。母国語を奪われ、イスラム教徒へと強制改宗させられながらも、遠き故郷への帰還をあきらめない少年兵の運命。滅びゆくオスマン帝国と、黄昏のドイツ帝国Uボート。“数奇な運命”に翻弄される若者たちの物語。

【感想】

   は~。壮大な夢を見ているようだった。

   夢って終わりかけになるとそれと気づいて
   「どうか悪いようにはなりませんように」と願うけれど、
   この本も読んでいて本気で願った。
   祈った。
   心臓が痛くなるくらいに。

   1915年のドイツ、特殊任務を帯びたUボートと
   1613年のオスマン帝国、豪奢な宮廷・混沌とした戦場。

   ふたつの時代・場所をつなぐのは、
   Uボート乗組員二人と図書館司書、
   そして故郷から強制徴募された奴隷少年兵三人。

   そのつながりを明らかにするのは膨大な手記。

   キーワードは「塩」。

   すごくすごく面白かった。

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クロコダイル路地Ⅱ  皆川博子  ☆   



クロコダイル路地(2)

クロコダイル路地(2)
著者:皆川博子
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2016年4月発行 講談社 379p

【内容情報】(「BOOK」データベースより

革命は終わった。登場人物たちは、フランスを脱出してイギリス・ロンドンへ。ローラン、ピエール、コレットは革命期に負った「傷」への代傷としての「復讐」を試みる。「革命という名の下になされた不条理に、私は何もなし得ない。ゆえに、個が個になした犯罪の是非を糺す資格も、私は持たない。私は、法がいうところの犯罪者になるつもりだ」私は、殺人を犯す。それは罪なのか?あの“バートンズ”も登場!小説の女王の最新ミステリ長編。産業革命期のロンドンを駆け巡るイギリス篇。

【感想】

   荒れに荒れたフランス革命から逃れて
   ロンドンに移り住んで10年余り経った登場人物たち。

   フランス革命時に負った傷にどう決着つけたのか、
   それぞれの運命に対する諦めと抵抗が絡み合った
   重層的な物語を堪能。

   いや、圧倒されました。

クロコダイル路地Ⅰ  皆川博子  ☆   



クロコダイル路地(1)

クロコダイル路地(1)
著者:皆川博子
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2016年4月発行 講談社 382p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

1789年7月14日、民衆がバスティーユ監獄を襲撃。パリで起きた争乱は、瞬く間にフランス全土へ広がった。帯剣貴族の嫡男フランソワとその従者ピエール、大ブルジョアのテンプル家嫡男ローラン、港湾労働と日雇いで食いつなぐ平民のジャン=マリと妹コレット。“革命”によって変転していくそれぞれの運命とは。小説の女王が描く壮大な叙事詩的物語と、仕組まれた巧妙な仕掛け。革命期の貿易都市ナントから始まるフランス篇。

【感想】

   フランス革命時、ナントの街で
   貴族の子息と従者、豪商の息子、平民の息子と娘たちの運命が
   大きく動いていく。

   残虐で狂った革命の様子に
   眉をひそめてしまうけれど、
   彼らの行く末がどうなるか気になってしかたがない、
   ドラマチックなお話。

   Ⅱに続くー!

アルモニカ・ディアボリカ  皆川博子   



アルモニカ・ディアボリカ

アルモニカ・ディアボリカ
著者:皆川博子
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2013年12月発行 早川書房 462p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

18世紀英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、正体不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には“ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ”と謎の暗号が。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。『開かせていただき光栄です』続篇!

【感想】

   『開かせていただき光栄です』の続編。

   今回も18世紀のロンドンが舞台の、
   天使と謎の楽器がでてくる
   濃厚で緻密なミステリーと人間模様にどきどきした。

   これが知的興奮ってこと?! 

   そしてエドとナイジェルの運命がががが…。

   治安判事たちが
   推理するために時々
   これまでにわかったことをまとめてくれるのが
   大変わかりやすくて助かる。

   外国人の名前がたくさん出てくるから(^^ゞ。

   それにしても18世紀のイギリスの
   身分差別や衛生状態や精神病院の酷さは
   とんでもなかったんだなあ。

倒立する塔の殺人  皆川博子   



倒立する塔の殺人

倒立する塔の殺人
著者:皆川博子
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2011年12月発行 PHP文芸文庫 357p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり…物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。

【感想】

   戦時中のミッションスクールと
   隣の都立女子高に通う少女たちの
   愛や友情や企みや悪意の行方。

   彼女らが残したノートに書き継いだ
   小説の謎を解く過程。

   そして何よりも
   独特な耽美な雰囲気にぞくぞく。

   それにしても彼女らの読む小説のラインナップたら!
   すっごい難しいの。

   この本を読んだら
   宮木あや子さんの『雨の塔』や『太陽の庭』、
   桜庭一樹さんの『青年のための読書クラブ』を
   思い出しました。

少年十字軍  皆川博子   



少年十字軍

少年十字軍
著者:皆川博子
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2013年3月発行 ポプラ社 380p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

13世紀、フランス。“天啓”を受けた羊飼いの少年・エティエンヌの下へ集った数多の少年少女。彼らの目的は聖地エルサレムの奪還。だが国家、宗教、大人たちの野心が行く手を次々と阻むー。直木賞作家・皆川博子が作家生活40年余りを経て、ついに辿りついた最高傑作。

【感想】

   1212年、子どもたちが突如エルサレムへ向かったという
   歴史的事実に基づいた小説。

   身勝手な大人や
   他人の名声を横取りしようとする子供に
   傷つけられ、運命を曲げられる
   エティエンヌや罪のない子供たちが悲しくて。

   中世の暗黒ってほんとうに救われないわ。

   お話には少し不思議な人物が出てきて、
   その真実の姿についてのミステリーっぽい部分も。

   結末は意外な感じで終わりました。

   ひたすら献身的なエティエンヌの姿に胸を痛め、
   反対に野放図でたくましいルーの姿に
   ワクワクする思いもしました。

   ほんと、ルーがいてくれてよかったよ。

開かせていただき光栄です  皆川博子   




開かせていただき光栄です

2011年7月発行 早川書房 437p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。

感想 

   物語の冒頭は18世紀ロンドンの解剖教室。
   解剖台の上には身重の若い女性の屍体。

   そこにさらに 四肢を切断された少年と
   顔をつぶされた男性の屍体が増える。

   その謎に解剖教室の面々と
   盲目の治安判事とその部下が挑む。

   次第に明らかになる 詩人志望の少年と
   稀覯本の運命。

   なんとも舞台や人物が艶かしくて魅力的。
   グロテスクな屍体ですら
   怪しげな輝きを放っているかのようでした。

   屍体となった少年と男性は誰なのか。
   殺害したのは誰なのか。
   あらゆるものが渾然一体となって
   物語がすすむのに酔いしれました。

   ラスト、解剖教室を去る二人が
   これからどうなるのか、とても気になります。
   せっかくの才能が生かされる場所がありますように。