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珠玉  彩瀬まる   



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珠玉 [ 彩瀬まる ]
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2018年12月発行 双葉社 240p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

国民的歌姫だった美しい祖母は、自分とは似ても似つかず超えられない存在。嫌というほどその現実を感じてきた歩は、他人の美貌に辟易しなるべく目立たぬように過ごしていたが、経営するファッションブランドの人気が低迷しデザイナーの相棒にも見限られ、最悪の状況に陥る。そんな折、仕事を失いかけているモデル・ジョージと出会った。歩のブランドの建て直しをジョージが強引に手伝うようになり…。本物の美しさとは、強さとは。弱さを抱えた者たちが成長する姿を丁寧に描いた物語。

【感想】

   「自分をいいって思う内側の声と、
   お前はだめだって言う外側の声と、
   せいぜい半分ずつ真に受ければよかったのに、(後略)」(p148)。

   大好きな美しい祖母の影からはなれて自立していく孫娘の話。

   しかし真珠がしゃべったのには驚いた。

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不在  彩瀬まる   



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不在 [ 彩瀬 まる ]
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2018年6月発行 KADOKAWA 256p

【内容情報】(出版社より)

長らく疎遠だった父が、死んだ。「明日香を除く親族は屋敷に立ち入らないこと」。不可解な遺言に、娘の明日香は戸惑いを覚えたが、医師であった父が最期まで守っていた洋館を、兄に代わり受け継ぐことを決めた。25年ぶりに足を踏み入れた錦野医院には、自分の知らない父の痕跡が鏤められていた。恋人の冬馬と共に家財道具の処分を始めた明日香だったが、整理が進むに連れ、漫画家の仕事がぎくしゃくし始め、さらに俳優である冬馬との間にもすれ違いが生じるようになる。次々現れる奇妙な遺物に翻弄される明日香の目の前に、父と自分の娘と暮らしていたという女・妃美子が現れてーー。愛情のなくなった家族や恋人、その次に訪れる関係性とは。気鋭の著者が、愛による呪縛と、愛に囚われない生き方とを探る。喪失と再生、野心的長篇小説!

【感想】

   長らく疎遠だった父の遺した洋館と遺品を整理していくうちに、
   家族に対する複雑な思いが呼び起こされ、
   恋人との仲や仕事が思うようにいかなくなった漫画家・明日香。

   とても文章がよくて、
   彼女の心情(それは私たちの心情でもある)が容赦なく突きつけられた。

くちなし  彩瀬まる   



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くちなし [ 彩瀬 まる ]
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2017年10月発行 文藝春秋 224p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

別れた愛人の左腕と暮らす。運命の相手の身体には、自分にだけ見える花が咲く。獣になった女は、愛する者を頭から食らう。繊細に紡がれる、七編の傑作短編集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

くちなし/花虫/愛のスカート/けだものたち/薄布/茄子とゴーヤ/山の同窓会

【感想】

   別れた愛人の左腕をもらう。
   運命の相手の身体には自分だけ見える花が咲く…
   読み始めて、とっても残酷な愛と美しさがあるけれど
   ちょっと苦手かも…と思った恋愛短編集ですが、
   読み終えて私の暮らす世界も
   見方を変えるとこんな風なのかもなあと思えました。

   けれども、私が一番好きだと思ったのは
   そういう幻想的要素のない「愛のスカート」です。
   (そこが私の限界なのか) 
   これは、これは…!
   身悶えするほどすごくよかった…

眠れない夜は体を脱いで  彩瀬まる   



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眠れない夜は体を脱いで [ 彩瀬まる ]
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2017年2月発行 徳間書店 240p

【内容情報】(出版社より)

手が好きなので、あなたの手を見せてください!--不思議なノリで盛り上がる、深夜の掲示板。そこに集う人々は、日々積み重なっていく小さな違和感に、窮屈さを覚えていた。ほんとの俺ってなんだーー「小鳥の爪先」女という性になじめないーー「あざが薄れるころ」不安や醜さが免除されている子はずるいーー「マリアを愛する」社会の約束事を無視するなんてーー「鮮やかな熱病」俺はいつも取り繕ってばかりだなーー「真夜中のストーリー」連作短篇集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

小鳥の爪先/あざが薄れるころ/マリアを愛する/鮮やかな熱病/真夜中のストーリー

【感想】

   現実に引っかかりを持つ5人の人たちお話。

   何気ないことや、思わぬことをきっかけにして
   少しずつ、少しずつ、ゆるやかに変化して
   光さしてくる展開が
   美しい文章で描かれている短編集。

   登場人物の心の動きを追っていくのが
   とても心地よかった。

   「手の掲示板」が
   全体的にもっと大きな意味を持つのかと思ってたけれど
   そうではなくて、ちょっと肩透かし感。

朝が来るまでそばにいる  彩瀬まる   


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朝が来るまでそばにいる [ 彩瀬 まる ]
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2016年9月発行 新潮社 200p

【内容情報】(出版社より)

弱ったとき、逃げたいとき、見たくないものが見えてくる。高校の廊下にうずくまる、かつての少女だったものの影。疲れた女の部屋でせっせと料理を作る黒い鳥。母が亡くなってから毎夜現れる白い手……。何気ない暮らしの中に不意に現れる、この世の外から来たものたち。傷ついた人間を甘く優しくゆさぶり、心の闇を広げていくーー新鋭が描く、幻想から再生へと続く連作短編集。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
この夜が明けるまで、手を握っているよ。弱ったとき、逃げたいとき、静かに寄り沿う影がいる。暗闇から再生へとつながる物語。

【感想】

   おなかの中で危うくなった子。
   先に逝った妻や母。
   死にかけた、或いは死んだ自分。

   あの世とこの世の間。
   狂気と正気の間。

   そこに行ってはいけないと思いつつも、
   抗い難い魅力にひきずりこまれる短編集。

   暗く寒いけれど
   読み終えて小さな光が見える。

やがて海へと届く  彩瀬まる   



やがて海へと届く [ 彩瀬まる ]
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2016年2月発行 講談社 222p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

すみれが消息を絶ったあの日から三年。真奈の働くホテルのダイニングバーに現れた、親友のかつての恋人、遠野敦。彼はすみれと住んでいた部屋を引き払い、彼女の荷物を処分しようと思う、と言い出す。地震の前日、すみれは遠野くんに「最近忙しかったから、ちょっと息抜きに出かけてくるね」と伝えたらしい。そして、そのまま行方がわからなくなったー親友を亡き人として扱う遠野を許せず反発する真奈は、どれだけ時が経っても自分だけは暗い死の淵を彷徨う彼女と繋がっていたいと、悼み悲しみ続けるがー。死者の不在を祈るように埋めていく、喪失と再生の物語。

【感想】

   震災の日に友人を失った真奈が
   それを受け容れていく心の動きと、
   その友人自身の心の動き。

   ゆっくりとていねいに解きほぐしていく、
   その文章はあまりにも美しい。

   死を悼むということ。
   自分の死を受け入れるということ。

   何が正解というわけではないだろうけど、
   これはきっと一つの救い。

桜の下で待っている  彩瀬まる  ☆   



桜の下で待っている

桜の下で待っている
著者:彩瀬まる
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2015年3月発行 実業之日本社 208p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

面倒だけれど愛おしい「ふるさと」。新幹線で北へ向かう5人。その先に待つものはー凛とした光を放つ感動傑作。

【目次】(「BOOK」データベースより)

モッコウバラのワンピース/からたち香る/菜の花の家/ハクモクレンが砕けるとき/桜の下で待っている

【感想】

   読み終えてたまらない気持ちに。

   東北新幹線に乗って、
   家族に会うために
   宇都宮、郡山、仙台、花巻へ向かう人たち。

   そのふるさと、家族に対する気持ちが
   繊細に描かれ胸にしみわたる。

   厭うようでいて
   やはり大切で愛しいふるさとや家族に
   あらためて思いをはせた。

神様のケーキを頬ばるまで  彩瀬まる  ★   



神様のケーキを頬ばるまで

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著者:彩瀬まる
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2014年2月発行 光文社 221p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

私は他人に語れることを何一つ持っていないーむつみ(マッサージ店店主)。やっぱりここは、俺にふさわしい七位の場所なのかもしれないー橋場(カフェバー店長)。私から、こんな風に頭を下げてでも、離れたいのだ、この人はー朝海(古書店バイト)。どうすればあの人は私を好きになってくれるのだろうー十和子(IT企業OL)。私は、真夜中の散らかった1DKの部屋で、びっくりするほど一人だったー天音(元カフェ経営者)。きっと、新しい一歩を踏み出せる。ありふれた雑居ビルを舞台に、つまずき転んで、それでも立ち上がる人の姿を描いた感動作!

【目次】(「BOOK」データベースより)

泥雪/七番目の神様/龍を見送る/光る背中/塔は崩れ、食事は止まず

【感想】

   いいわあ~。
   やっぱり彩瀬さん、いいわあ~。

   一つの雑居ビルを舞台にした連作短編集。

   家族や恋や仕事や友人や。

   ちょっとしたつまずきを持つ人たちが
   前を向いて歩きだす
   その心や体の動きがきめ細かく描かれていて、
   心にしみいります。

   何度も何度も読んで
   かみしめたい小説です。

骨を彩る  彩瀬まる  ★   



骨を彩る

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2013年11月発行 幻冬舎 239p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

どうしようもない、わからない、取り戻せない、もういないー。なかったことにできない、色とりどりの記憶が降り注ぐ。最大注目新鋭作家、書き下ろし。

【目次】(「BOOK」データベースより)

指のたより/古生代のバームロール/ばらばら/ハライソ/やわらかい骨

【感想】

   はあ。
   すごくよかった。
   凄く好き。

   彩瀬さんの2冊目の小説単行本。

   何らかの「喪失」を抱える人たちが登場する
   連作短編集。

   自身の痛みに向き合い前を向いて歩きだす
   心の動き、その姿が、
   美しい風景とともに
   これまた美しい文章で描かれ
   静かに心にしみいります。

   なんだろうなあ、
   どうしてこんなに彩瀬さんの小説は
   心にひたひたと寄せてくるんだろう。

   あんなことやこんなこと、
   登場人物とともに自分の記憶も掘り起こされ、
   たまらない気分になった。

   はらはらと泣くのではなく
   じんわり涙がにじんできた。

   ほんとうにこの本を読めてよかった。

あのひとは蜘蛛を潰せない  彩瀬まる  ★   

私って「かわいそう」だったの? 「女による女のためのR- 18文学賞」受賞第一作! ずっと穏やかに暮らしてきた28歳の梨枝が、勤務先のアルバイト大学生・三葉と恋に落ちた。初めて自分で買ったカーテン、彼と食べるささやかな晩ごはん。なのに思いはすぐに溢れ、一人暮らしの小さな部屋をむしばんでいく。ひとりぼっちを抱えた人々の揺れ動きを繊細に描きだし、ひとすじの光を見せてくれる長編小説。

あのひとは蜘蛛を潰せない

あのひとは蜘蛛を潰せない
著者:彩瀬まる
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2013年3月発行 新潮社 222p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

暗闇から抜け出せなくても、手を握っているよ。恋愛の絶望と希望を描く救済の物語。

【感想】

   すごくよかった!

   ひたひた、ひんやりとこちらの心を捉えていく小説!

   28歳独身女性が
   母からの呪縛を離れて、
   自分なりの生き方を手に入れるまでの、
   進んだり戻ったり、
   悩んだり思い切ったり、が
   丹念に緻密に描かれて
   凄く心がきゅーっとします。

   「みっともない」
   「ちゃんとしている」
   「かわいそう」
   「許せない」…。

   母親から刷り込まれた価値観は自分を縛るけれど、
   それがあるからこその自分でもあり、
   簡単にそこから抜け出すことはできないよね。

   その辺の彼女の葛藤が凄く納得できるお話に脱帽。

   帯の「恋愛の絶望と希望を描く救済の物語」っていうのは
   ちょっと違うかな~。

   「救済の物語」というのはその通り! 

   でも「恋愛」はきっかけ、であって、
   本筋ではないような気がするよ。