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光の犬  松家仁之  ★   



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光の犬 [ 松家 仁之 ]
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2017年10月発行 新潮社 448p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

北の町に根づいた一族三代と、そのかたわらで人びとを照らす北海道犬の姿。信州・追分に生まれ、助産婦となって道東の町・枝留にやってきた祖母。戦前に隆盛をきわめた薄荷工場の役員である祖父。川釣りと北海道犬が趣味の生真面目な父。子どもたちを頼みに生きる専業主婦の母。幼なじみの牧師の息子と恋をする歩。レコードと本に没頭する気難しい始。いずれも独身のまま隣に暮らす、父の三姉妹。祖母の幼少時である明治期から、50代になった始が東京から帰郷し、父母と三人のおばたちの老いにひとり向きあう現在まで、100年にわたる一族の、たしかにそこにあった生のきらめきと生の翳りを、ひとりひとりの記憶をたどるように行きつ戻りつ描きだす、新作長篇小説。

【感想】

   読み終えて深い満足と終わらないでという思いと。

   道東のある家族と知人の
   百年にわたる物語。

   彼らが生まれて、出会って、別れて、死んで。

   時系列も人物の登場の仕方もばらばらに、
   淡々と断片を積み重ねていき描かれたうたかたの、
   けれども確かなものの美しさに胸をうたれた。

   登場人物に「ことばは不自由だ」と言わせながらも、
   こうやってことばを尽くして
   物語を紡いでくださったことに感謝しかない。

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優雅なのかどうか、わからない  松家仁之   

優雅なのかどうか、わからない

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著者:松家仁之
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2014年8月発行 マガジンハウス 231p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

20年余の結婚生活を解消、井の頭公園に接して建つ、築50年以上の一軒家を自分好みに改装し、新しい生活を始めた匡だったが…。欲しいのは家なのか、家族なのか。ひとりで生きるのは、ほんとうに大変なのか。

【感想】

   主人公に羨望を覚える。

   50歳を前にして離婚し
   借家を改装しつつ一人暮らしをはじめた男性。

   彼の人生は優雅ではないかもだけど、
   確かな美意識に裏打ちされた生活は
   優雅そのもの。

   多くのことが起こるのに
   静かでひっそりとした小説。

沈むフランシス  松家仁之   



沈むフランシス

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著者:松家仁之
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2013年9月発行 新潮社 184p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

北海道の小さな村を郵便配達車でめぐる女。川のほとりの木造家屋に「フランシス」とともに暮らす男。五官のすべてがひらかれる深く鮮やかな恋愛小説。北海道の山村で出会った男女の恋愛の深まりを描きだす待望の第二作!

【感想】

   ひたすら美しかった。

   北海道の小さな村の豊かな四季の自然を描いた
   瑞々しい文章が心に静かに染み込む。

   そしてそこで出会った男女の営みもまた
   危うい関係であるにもかかわらず美しい。

   「音」が大きなアイテムであるのに
   感じられるのはただ「静」でした。

   登場人物のひとり・御法川さんの言葉が素敵だった。

   出会った男女二人がすぐにそういう関係になったのは
   一目ぼれなのか、
   二人とも大人だからなのか。

   マディソン郡の橋的な感じ。

   でもこれはそこを丹念に描く小説ではないのだろう。
   彼らはきっと小説の中で風景の一部なんだろう、って
   思った。

火山のふもとで  松家仁之  ☆   

国立図書館設計コンペと若き建築家の密やかな恋を、軽井沢の山荘に流れる幾層もの時間が包みこむ。朝毎読ほか各紙文芸時評で話題沸騰のデビュー長篇!

火山のふもとで

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著者:松家仁之
価格:1,995円(税込、送料込)
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2012年9月発行 新潮社 377p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。-物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆくー。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。

【感想】

   読み終えて胸いっぱいで。

   結末にやはり、という思いと 
   よかった、という思い。

   建築設計事務所に就職した青年の目を通して描かれる、
   建築の話や山の家の暮らし、そして密やかな恋。

   緻密にディテールを積み重ねていく物語に
   静かに興奮しながら読みました。

   設計図の線をひくのも設計モデルを作るのも
   料理を作るのも家の手入れをするのも、
   それらはあまりにも静かで美しく息をのみ
   不穏な気配に震えるほど。

   淡々としているのに
   こちらに伝える力の強さが素晴らしい。

   建築について書かれている
   多くの事柄がどれも興味深かったです。