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夜の木の下で  湯本香樹実  ☆   



夜の木の下で

夜の木の下で
著者:湯本香樹実
価格:1,404円(税込、送料込)
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2014年11月発行 新潮社 197p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

話したかったことと、話せなかったこと。はじめての秘密。ゆれ惑う仄かなエロス。つないだ手の先の安堵と信頼。生と死のあわい。読み進めるにつれ、あざやかに呼び覚まされる記憶。静かに語られる物語に深く心を揺さぶられる、極上の傑作小説集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

緑の洞窟/焼却炉/私のサドル/リターン・マッチ/マジック・フルート/夜の木の下で

【感想】

   美しい短編集。

   それぞれのお話で
   登場人物たちが過去について思いをめぐらし、
   後悔を抱え、
   苦い思いを感じているのに、
   美しかった。

   静かな文章から
   風景や気持ちが立ち上ってくる。

   好きだなあ。

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岸辺の旅  湯本香樹実   

失踪中の夫が帰ってきた。ただしその身は海底で朽ちていると。死後の軌跡をたどる2人。心震わせる哀しく深いゴースト・ストーリー


岸辺の旅

2010年2月発行 文藝春秋 210p


【内容情報】(「BOOK」データベースより)

なにものも分かつことのできない愛がある。時も、死さえも。あまりにも美しく、哀しく、つよい至高の傑作長篇小説。

感想

   瑞希のもとに ある日突然 3年間行方不明になっていた夫・優介が
   帰ってきた。
   彼はもうすでに亡くなっていて
   しかも その身は 海の底で蟹に食べられていると言う。

   彼が死後 たどってきた道を 逆に夫婦二人でたどる。
   その中で 知らなかった夫の姿が見えてくる。

   ぜったいにリアルにはありえない話だけれども
   なぜか くっきり形を描く物語。
   荒涼とした風景が目に浮かぶ中で
   行く先々での 人とのつながりが
   (夫が死後 瑞希のところまで帰ってくるときに
    お世話になった人たちを 訪ねていくという趣向)
   ほんのりと温かく 心地いい。
   的確に 言葉を厳選して 美しく紡がれた文章の
   なせる業でしょうか。

   夫の死後 分かり合える夫婦というのも淋しい話で
   また 読んでいても 結末に向かうのが
   哀しくて仕方がなかったのですけれど
   読み終えて どこか 救いも感じられるお話でした。