噛みあわない会話と、ある過去について 辻村深月
![]() 噛みあわない会話と、ある過去について [ 辻村 深月 ] |
2018年6月発行 講談社 208p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
怒りは消えない。それでいい。あのころ言葉にできなかった悔しさを、辻村深月は知っている。共感度100%!切れ味鋭い傑作短編集。
【目次】(「BOOK」データベースより)
ナベちゃんのヨメ/パッとしない子/ママ・はは/早穂とゆかり
【感想】
会話していると、
過去についての記憶が自分と相手とで違う、
そこから導かれた状況に背筋が寒くなる短編4編。
確かに過去は自分に都合のよいものに
脚色しがち、理解しがちだよなぁ…。
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- [2018/07/19 10:35]
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青空と逃げる 辻村深月
![]() 青空と逃げる (単行本) [ 辻村 深月 ] |
2018年3月発行 中央公論新社 392p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
深夜の電話が、母と息子の日常を奪い去った。疑心、恐怖、そして怒り。壊れてしまった家族が、たどり着く場所はー。母の覚悟と、息子の決意。
【目次】(「BOOK」データベースより)
川漁の夏休み/坂道と路地の島/湯の上に浮かぶ街/あしたの写真館/はじまりの春
【感想】
夫がトラブルを起こし、
早苗は10歳の息子と二人、高知、瀬戸内、別府、仙台と逃げていく。
早苗のおびえと変化、息子のとまどいと成長。
交互の視点で描かれる。
逃げた先で出会った人々があたたかくていいなぁ。
「生きて、逃げてるってことならよかったよ」
まったくそうだ。いい言葉だ。
まぁ、そもそもそんなに逃げる必要はある?とか、
それはずるい!とか思ったんだけど、ね。
- [2018/04/29 20:32]
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かがみの孤城 辻村深月
![]() かがみの孤城 (一般書) [ 辻村 深月 ] |
2017年5月発行 ポプラ社 558p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
どこにも行けず部屋に閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然、鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先の世界には、似た境遇の7人が集められていた。9時から17時まで。時間厳守のその城で、胸に秘めた願いを叶えるため、7人は隠された鍵を探すー
【感想】
7人の不登校中学生が
鏡の中を通って孤城に集められ、
あるルールのもと一年間過ごす。
だんだん近づくお互いの距離。
現実を変えようとする思いと行動。
辻村さんから学校で生き辛さを抱える子へのエールが感じられ、
胸がアツくなる。
最後がとてもよかった。
最初の方はファンタジー設定が
ちょっと宮部みゆきさんっぽいかな~と思ってたんだけれど、
後半のたたみかけはやっぱり辻村さんでした。
よかった!
- [2017/05/24 16:55]
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クローバーナイト 辻村深月
![]() クローバーナイト [ 辻村深月 ] |
2016年11月発行 光文社 337p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
何が“普通”になるのかは、誰にもわからないのだ。ママ友の不倫疑惑、熾烈な保活、過酷なお受験、驚愕のお誕生会、そしてー。保育園に通う一男一女を抱える鶴峯家。家族の幸せを守るべく、新米騎士が右往左往しながら奮闘中!VERY連載時から話題沸騰!!直木賞作家、待望の最新刊!
【感想】
東京の、子ども二人を保育園に通わせてる共働き夫婦と
その周りの子育ての様子を父親の目から描く。
保活とかママ友のお付き合いとかお受験とかたいへんなんだね…。
「子育てって自分の努力ではどうにもならない初めてのこと」や
母親との関係についてはすごく共感できた。
主人公家庭が経済的に余裕があって、
仕事の時間に融通がきき育児にものすごく協力的な父親で
うらやましいこと、と思って掲載誌を見たらVERYだった。
なるほど。
- [2016/12/19 10:23]
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東京會舘とわたし 上・下 辻村深月 ☆
![]() 東京會舘とわたし(上) [ 辻村深月 ] |
![]() 東京會舘とわたし(下) [ 辻村深月 ] |
2016年7月発行 毎日新聞出版 上・285p 下・285p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
海外ヴァイオリニストのコンサート、灯火管制下の結婚式、未知のカクテルを編み出すバーテンダー…“會舘の人々”が織り成すドラマが、読者の心に灯をともす。大正十一年、丸の内に誕生した国際社交場・東京會舘。“建物の記憶”が今、甦る。激動の時代を生きた人々を描く。直木賞作家の傑作長編小説!
緊張で肩を震わす舞台女優、東日本大震災の日、直木賞受賞を知らされた青年…優しさと慈しみに満ちた物語は、ついに終章へ。
【感想】
大正十一年に東京・丸の内にできた
東京會舘九十年の歴史。
そこで働く人たち、
そこを訪れた人たちと
東京會舘のあたたかな記憶。
働く矜持・訪れる喜びにあふれる、
すごく丁寧で上質な群像劇を読み終えて、
しみじみとした幸せを感じている。
- [2016/08/16 09:54]
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図書室で暮らしたい 辻村深月
![]() 図書室で暮らしたい |
2015年11月発行 講談社 293p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
作家になる前から、作家になってから、夢中で追いかけてきた小説、漫画、アニメ、音楽、映画、美味しいもの…etc.すべてが詰まった、読むと元気になれるエッセイ集!
【目次】(「BOOK」データベースより)
1 週刊エッセイ/2 好きなものあっちこっちめぐりー本と映画、漫画やアニメ、音楽も。/3 女子と育児と、もろもろの日々/4 特別収録おじいちゃんと、おひさまのかおり/5 自作解説(というほどではないけれど、思うことあれこれ)/6 直木賞に決まって
【感想】
これまでに書かれたエッセイを集めた一冊。
生活のこと、
子供の頃のこと、
創作のこと、
などなど。
日常のことを文章にするということ。
好きだったことをお仕事にしたということ。
なんというか、
やっぱり作家さんて凄い。
胸揺さぶられて泣きそうだ。
- [2015/12/11 09:44]
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きのうの影踏み 辻村深月
![]() きのうの影踏み |
2015年9月発行 KADOKAWA 266p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
怪談には死者の“思い”が込められている。人の喪失に寄り添ってきた文学に、辻村深月が心血を注ぎ込んだ。失った“大切な誰か”を思い出して読んでほしいと願いながら。辻村深月の新境地!絆を感じる傑作短篇集。
【目次】(「BOOK」データベースより)
十円参り/手紙の主/丘の上/殺したもの/スイッチ/私の町の占い師/やみあかご/だまだまマーク/マルとバツ/ナマハゲと私/タイムリミット/噂地図/七つのカップ
【感想】
ひぃ。
大げさじゃない、日常のつい隣のあるような
怪談の短編集。
優しい語り口でいつの間にか怖いことに直面させられ、
それはどういうことなのか説明されずに
読者に委ねられるので、
怖さが後を引くこと半端ないです。
最後に載っているのがこの短編でよかった!
って感じ。
- [2015/10/13 10:27]
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朝が来る 辻村深月
![]() 朝が来る |
2015年6月発行 文藝春秋 346p
【内容情報】
親子三人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた一本の電話。電話口で「子どもを、返してほしいんです」と言い募る女は「片倉ひかり」と名乗った。その名前は、栗原夫妻にとって忘れることのできない名前だった……。やがて明かされる、まったく異なる環境を生きるふたりの女性の人生と葛藤。
【感想】
親子三人で穏やかに暮らす一家にかかってきた
不穏な電話から始まるお話。
産んでも育てられず母になれなかった人と、
産まなくても育てて母になれる人と、
産み育てても母になれない人と。
「母」、そして「家族」というものが
静かに胸にせまってきてまいるなあ。
帯にある「号泣必至」とはならなかったけれど、
二回ある「朝が来た」シーンには、
ぐっときた。
ラストシーンのあとはどうなっちゃうの?というのは、
きっと余計なお世話なんだろな。
- [2015/06/21 10:09]
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家族シアター 辻村深月
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。こんな風には絶対になりたくないーーだけど、気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)息子が小学校六年生になった年、父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)すべての「わが家」に事件あり。ややこしくも愛おしい家族の物語、全七編!
![]() 家族シアター |
2014年10月発行 講談社 275p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
お父さんも、お母さんも、おじいちゃんも、おばあちゃんも、娘も、息子も、お姉ちゃんも、弟も、妹も、孫だってー。ぶつかり合うのは、近いから。ややこしくも愛おしい、すべての「わが家」の物語。
【目次】(「BOOK」データベースより)
「妹」という祝福/サイリウム/私のディアマンテ/タイムカプセルの八年/1992年の秋空/孫と誕生会/タマシイム・マシンの永遠
【感想】
家族をテーマにした短編7つ。
白辻村さんだった。
ぶつかり合ったり、
すれ違ったりすることもあるけれど、
いつかはわかりあえる
家族の温かいお話。
小学生の姉妹を描いた
「1992年の秋空」が一番好き。
学校で買ってた学習と科学、
懐かしいな。
「サイリウム」「タイムカプセルの八年」「1992年の秋空」は
それぞれ他のアンソロジーで読んだことがあった。
カバーがかわいいけれど、
この背表紙は
日に焼けたら読めなくなるだろうなあ。
(新品ですら見にくいです)
- [2014/11/21 10:51]
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ハケンアニメ! 辻村深月 ☆
![]() ハケンアニメ! |
2014年8月発行 マガジンハウス 441p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
伝説の天才アニメ監督王子千晴が、9年ぶりに挑む『運命戦線リデルライト』。プロデューサー有科香屋子が渾身の願いを込めて口説いた作品だ。同じクールには、期待の新人監督・斎藤瞳と人気プロデューサー行城理が組む『サウンドバック 奏の石』もオンエアされる。ネットで話題のアニメーター、舞台探訪で観光の活性化を期待する公務員…。誰かの熱意が、各人の思惑が、次から次へと謎を呼び、新たな事件を起こす!anan連載小説、待望の書籍化。
【感想】
これは!
あるクールの「覇権」を争う
二つのアニメの現場や携わる人々を描いた
お仕事小説として
とっても面白いんですけれど!
そのうえに!
「モノを作ること」の誇りや
「作られたモノや作る人」に対する敬意や愛にあふれていて、
胸いっぱいに。
ふだん小説読みの私は
「アニメ」を「小説」に勝手におきかえて、
辻村さんをはじめとする作家の皆さんや
出版社の皆さんなどのことを勝手に思い、
たまらない気持ちになりました。
怒涛のクライマックスも快感。
辻村さんの他作品の懐かしい登場人物にも会えて、
興奮しました!
3つの章+最終章という構成なんですけど、
3つの章のうち、
主に「リデルライト」を扱ったのが1つ、
主に「サバク」を扱ったのが2つだったので、
なんとなく「リデルライト」に心惹かれたわたしは
もう1章追加して「リデルライト」のことを書いてほしかったな~、
なんて思ったりして。
- [2014/09/11 09:43]
- 日本の作家 辻村深月 |
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