生者の行進 石野晶
![]() 生者の行進 |
2012年6月発行 ハヤカワ文庫JA 345p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
美しく奔放な従妹の冬子に、隼人は高校生にいたる今まで、悩まされていた。冬子は友達を作らず、隼人が親しい友人を作れば恋を仕掛けて奪い捨てる。そんな冬子が初めて連れてきた女友達が美鳥だった。だが隼人の目前で、美鳥がドッペルゲンガーを見たと言って倒れ…喪った命と絶望の記憶に苛まれる少年少女が出会うとき、幼い心に刻まれた罪の時間が動き出す。痛ましいまでに繊細な、煌めく若者たちの青春群像ミステリ。
【感想】
人に言えない罪を抱える男女高校生4人の
恋と友情と死と生をめぐるミステリ。
4人が出会うことによりたちのぼる過去。
過去にとらわれ、今を生き難い彼らが痛々しくて、
でも目を離せなくて、
息をつめるようにして読みました。
ふぅ。
暗いけれど好きです。
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- [2013/05/18 11:23]
- 日本の作家 石野文香・石野晶 |
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パークチルドレン 石野文香

パークチルドレン
2007年10月発行 小学館 239p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ひとりぼっちだった15歳の水香は、閉鎖された遊園地で仲間に出会い、初めての恋をした。そして突然、親友の千夏が事故死し、水香は千夏が妊娠していたことを知る。お腹の赤ちゃんを代わりに産んでほしい…!?水香は、千夏の最後の願いを叶える約束をするが-。大切な人を守るために、何ができるだろう?全編に「愛しさ」が満ちあふれる、期待の新人によるみずみずしい感動作。第八回小学館文庫小説賞受賞作。
感想
作者は『月のさなぎ』の石野晶さん。
居場所が見つけられない子供たちが集まる
閉鎖された遊園地。
そこで彼らは何事もなかったように自分たちを解放する。
でもそれは終わりの予感をはらみつつ。
透明で美しい壊れそうな何かを抱えながらも、
前に進む物語。
親の再婚に伴い引越してきた高校生・水香は
街をさまよっているうちに遊園地に入り込み、
同級生・千夏や同い年の男子生徒・直澄と知り合う。
そこで水香は自分の喪失感を埋めてくれる
大切なものを手に入れます。
後半はいきなりのファンタジー展開。
でもそれは命が大事なことや、
大切なものを守ることの尊さを伝えてくれて
美しいシーンでした。
- [2012/04/26 00:00]
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月のさなぎ 石野晶
森の学園に隔離された性別のない生徒たち。突然の恋と逃避行、謎の熱病、礼拝堂の黒い聖像――蝶になる前の一瞬を描ききる、はかない箱庭のミステリー。

月のさなぎ
2010年11月発行 新潮社 262p
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
森の中の学園に隔離されて育った、性別のない子どもたち。成人するにつれ性別が確定し、ひとり、またひとりと巣立っていく。年に一度の降誕祭を前に「学園の貴公子」と称される薄荷は、外界から侵入してきた少年と恋に落ちた。森への逃避行、フラッシュバックする記憶。17歳の身体と心は、意思とうらはらに変わりはじめる…。第22回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
感想
寄宿舎のような学園で隔離されて育つ
「月童子」と呼ばれる子どもたち。
日々のおつとめや 教祖の降誕祭の劇の練習などに
励む毎日。
それぞれの秘めた思いに悩みながらも
学園での生活を過ごしている。
透明感のある清らかな雰囲気のお話ですが
学園内で起こった殺人事件を機に
月童子やこの学園の存在意義が
明らかにされていき
登場人物も 新たな自分を見つけていきます。
薄荷と空と小麦という
主要な三人の月童子それぞれの
個性を生かした 学園もののファンタジーでした。
表紙の絵は ちょっと怖いですけれど
内容はぜんぜん怖くないです。
- [2012/01/10 15:04]
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