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その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く  森川すいめい   






2016年6月発行 青土社 193p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

「今、即、助ける」「できることは助ける。できないことは相談する」数々の支援活動で注目をあびる精神科医が、生きやすさのヒントを探す旅に出る。

【目次】(「BOOK」データベースより)

序章 支援の現場で/第1章 助かるまで助ける/第2章 組織で助ける/第3章 違う意見、同じ方向/第4章 生きやすさのさまざまな工夫/第5章 助けっぱなし、助けられっぱなし/第6章 ありのままを受け入れる/終章 対話する力

【感想】

   著者が日本各地を訪れて、生きやすさのヒントを探す。

   それらの地域では構えない対話・人助けが行われており、
   それはオープンダイアローグという学術的な方法とつながる。

   著者と土地の人々とのいろんなやりとりが興味深く、
   人と対話していきたいと思うような事例が多かった。

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しき  町屋良平   



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2018年7月発行 河出書房新社 176p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

特技ナシ、反抗期ナシ、フツーの高校二年生・星崎。「かれ」が夜の公園でひとり動画を流して練習する“テトロドキサイザ2号踊ってみた”。夢もなければ特技もない、クラスの人気も興味ないーそんなある日、河原で暮らす友人・つくもから子どもができたと打ち明けられて…。

【感想】

   面白かった~。

   「特技ナシ、反抗期ナシ、フツーの高校二年生・星崎」
   という男子高校生の一年間。

   「踊ってみた」。
   友達。
   家族。
   女の子。
   そして「こころ」と「言葉」と「体」について考え続ける。

   フツーの高校生がただただ愛おしくなった。

   漢字のひらきかたが独特。

   女の子三人組の苗字の樋口・白岩・青木は
   フィギュア選手からとったんだろうか。

   表紙はなぜ男子高校生ではない?

   町屋さんのデビュー作『青が破れる』も読んでみたい。

最愛の子ども  松浦理英子  ☆   



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2017年4月発行 文藝春秋 216p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

“パパ”日夏、“ママ”真汐、“王子”空穂。わたしたちの心をかき立てるのは、同級の女子高生三人が演じる疑似家族。時代を切りひらいて来た作家、最新にして最高の傑作!

【感想】

   女子高生たち。

   ’ファミリー’とみなされる三人と
   それを見守る’わたしたち’。

   リアルと’わたしたち’が妄想する三人の姿が溶け合う世界の、
   尊さと美しさとあやうさが最高だった。

   そこに襲いかかる現実さえも踏みにじって行く
   彼女らがただただ愛おしい。

水田マリのわだかまり  宮崎誉子   



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2018年2月発行 新潮社 160p

【内容情報】(出版社より)

水田マリ16歳。正直に言うと、高校中退ってこと、かなりわだかまってます。高校を3日でやめて働き始めた16歳のマリ。殺伐とした洗剤工場の閉塞感の中で、ストレスがほこりのように積もっていく。だけど、ウップンと不満は、生きるのに欠かせないガソリンだ。低賃金労働の現場といじめ、外国人労働者、毒親、そして介護の問題を独特の文体でリアルに描く平成のプロレタリア作家待望の新作。

【感想】

   高校を3日で退学して洗剤工場で働き出したマリのお話(表題作)と、
   老いていく両親と懸賞にはまっている娘をもつ笑子のお話の二編。

   スピーディーに交わされる会話のおかしみと、
   その向こうに描かれている
   厳しさややるせなさやそれでも確かにある光。

窓から見える最初のもの  村木美涼   



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2017年11月発行 早川書房 352p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

心療内科に通う短大生の相沢ふたばは、治療所で大学生の湯本守に出逢う。守をもっと知りたいと思うふたば。が、彼は姿を消した。看護師に守の行方を訊くが、「そんな名前の患者は知らない」との答えがー壁紙販売会社の社長・藤倉一博は、数年来探し求めていた幻の油絵、“六本の腕のある女”をようやく見つけ出す。だが、まもなくそれが贋作ではとの可能性が浮上しー不動産業の連城美和子は、喫茶店を始める長谷部悠のため、最良の物件を紹介した。だが、かつて喫茶店の店主をしていた悠の父が、三十年も隠していた哀しい出来事を知りー免許の更新に行った御通川進は、警察から「御通川進に行方不明人捜索願が出されている」と知らされる。誰が、何のために自分の名を騙って家出をしたというのか?-ひとつの街で、四つの物語が静かにひそやかに重なり合ってゆきーその先に見えるものとは…鮮やかな色彩の新・日常系ミステリ。第7回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

【感想】

   心療内科に通う女子大生、
   ある画家の絵に魅せられた会社社長、
   喫茶店を探す客を担当した不動産会社社員、
   自分の名前で家出人捜索願が出されていた会社員。

   それぞれに不思議なことが起こり
   それらはばらばらだと見えていたが
   実は…というミステリ。

   自分の知らないところでいろんなことがつながり、
   自分の知らない人の善意に救われていることがあるんだなあという
   優しい印象だった。

   第7回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

イスラームから考える  師岡カリーマ・エルサムニー   



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2008年4月発行 白水社 217p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

ベール、風刺画、原理主義…これらは本当に「イスラーム問題」なのか。イスラーム報道を捉え直す待望の書。酒井啓子さんとの対談「私たちが前提にしている現実はなにか」も収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)

悪の枢軸を笑い飛ばせ/表現の自由という原理主義/「いつアラブの死亡を宣告するのか」/「ベールがなんだっていうの?」/懲りずにフランクフルト/原理を無視する「原理主義」/青年よ、恋をせよ!/翻訳を読むことのむずかしさ/愛国心を育成するということ/私の九・一一/対談 私たちが前提にしている現実はなにか(酒井啓子/師岡カリーマ・エルサムニー)

【感想】

   今年読んで感銘を受けた『私たちの星で』で
   梨木香歩さんと往復書簡を交わしてられるのが師岡さん。

   往復書簡を始める前に
   梨木さんがこの本を読まれたということで
   わたしも手に取った。

   結果、
   自分がイスラームについて知らなかったこと、誤解していたこと、
   そもそも宗教や国に対する考え方を間違えていたことなどを
   多く知ることができてとてもよかった。

   また
   「わかる」ことは大事だけれど
   わからなければそこであきらめるのではなく
   「わからなくても想像すること」も必要だということも。

   でもそもそもの知識はやっぱり必要なわけで、
   来年は「わかる」ことを増やすために
   小説・エッセイ以外の本(人文科学・社会科学の本を考えている)も
   積極的に読んでいこうかなと思ってる。

青が破れる  町屋良平   



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2016年11月発行 河出書房新社 144p

【内容紹介】

この冬、彼女が死んで、友達が死んで、友達の彼女が死んだ。
ボクサーになりたいが、なれない青年・秋吉。夏澄との不倫恋愛を重ねながら、ボクシングジムでは才能あるボクサー・梅生のパンチとのスパーリングを重ねる日々。ある日、友人のハルオに連れられハルオの恋人・とう子の見舞いへ行く。ハルオに言われその後はひとりでとう子のもとを訪ねることになるが……。
清新にして感情的な新たなる文体。
21世紀のボクシング小説にして、現代を象る青春小説である第53回文藝賞受賞の表題作「青が破れる」に加え、書き下ろし短篇「脱皮ボーイ」と「読書」を収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)

青が破れる/脱皮ボーイ/読書

八月十五日に吹く風  松岡圭佑   



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八月十五日に吹く風 (講談社文庫) [ 松岡 圭祐 ]
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2017年8月発行 講談社文庫 432p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。戦後占領政策転換の決め手となった一九四三年、北の最果てキスカ島での救出劇。日本は人道を貫き五千人の兵員を助けた。戦史に残る大規模撤退作戦を、日米双方の視点で描く感動の物語。

【感想】

   太平洋戦争時の日本軍によるキスカ島救出作戦。
   その真実を見たアメリカ人通訳により
   終戦後の占領政策に大きな変更を加えられたという、
   史実に基づいた小説。

   日本軍に
   このような作戦を立て実行できる人間がいたことに驚き、
   認識を新たにしました。

   また
   その作戦の持つ意味を汲み取ってくれ、
   占領政策の変更を進言してくれたアメリカ人通訳が、
   ほんとうに素晴らしいと思う。

   日本人だから、とか、アメリカ人だから、ということじゃなく、
   素晴らしい人はそれぞれいるわけで、
   そういう人が多数だといいなと切に思います。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー  町田そのこ  ★   


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2017年8月発行 新潮社 256p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

世界が変わるほどの恋。すべてが反転する秘密。大胆な仕掛けに満ちた、選考委員激賞のデビュー作!抜けてしまった歯が思い起こさせるのは、一生に一度の恋。もう共には生きられない、あの人のことー。第15回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作をはじめ、どんな場所でも必死に泳いでいこうとする5匹の魚たちをとびきり鮮やかな仕掛けで描いた連作集。

【目次】(「BOOK」データベースより)

カメルーンの青い魚/夜空に泳ぐチョコレートグラミー/波間に浮かぶイエロー/溺れるスイミー/海になる

【感想】

   ああっ、こういうの好きだ!

   冒頭の「カメルーンの青い魚」(R-18文学賞受賞作)から
   すごくよくて!

   その先も
   そこから続く連作短編なんだけど、どれもいい。

   小さな町でうまく泳げなくて
   それでも精一杯泳いでいこうとする人たちの話。

あとは野となれ大和撫子  宮内悠介   



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あとは野となれ大和撫子 [ 宮内 悠介 ]
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2017年4月発行 KADOKAWA 384p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

中央アジアのアラルスタン。ソビエト時代の末期に建てられた沙漠の小国だ。この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。彼女たちはこの国をー自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、「国家をやってみる」べく奮闘するが…!?内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積み。それでも、つらい今日を笑い飛ばして明日へ進み続ける彼女たちが最後に掴み取るものとはー?

【感想】

   中央アジアの架空の小国で
   大統領暗殺後、政権をひきついだ少女たちのお話。

   国際政治情勢や環境問題、部族対決などなど
   多くのものを盛り込んでいるけれど、
   あくまでもエンタメに徹したと思われる
   お話の運び、構成が楽しかったです。