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BANG!BANG!BANG!  朝比奈あすか  ☆ 



親友のばんちゃんが死んだ。事故だった。誰のせいでもなかった。でも俺はその日から、しゃべるのをやめたーー。中学生男子の複雑な心の揺れを描く、著者の新境地



2011年10月発行 講談社 204p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

幼なじみのばんちゃんを失い、口も心も閉ざした俺。いつからか、クラスの“裏掲示板”に、そんな俺への悪意が投稿され始める。それは誰も守れず、信じなかった、俺への罰なのかもしれなかったー。まだ青い魂の喪失と再生を繊細に綴る、著者新境地。失ってからわかること、失わないとわからないもの。未成熟で不器用な心の揺れを描き出す表題作ほか、書き下ろし小説「トン骨とジュリアン」収録。

【目次】(「BOOK」データベースより)

BANG!BANG!BANG!/トン骨とジュリアン

感想

   良かった!
   これまで読んだ朝比奈作品は嫌な感じがちくちくして
   気になっていました。
   でもこの作品はそれがいい方向に作用しています。

   友人を亡くした中3男子を主人公とした表題作。
   自我が肥大する年頃の危うさと
   そこから一歩進めた成長との対比が絶妙でした。

   この本にはもう一つ
   「トン骨とジュリアン」という話も載っていて、
   これがまた素晴らしかったです。
   どんな話か書くと読んだ時の喜びが薄れるから
   ナイショです(笑)。
   表紙の服を着た猫と犬の絵はなんだろうと
   思っていたけれど、
   読み終えて○○○○かな?と思っています。


やわらかな棘  朝比奈あすか  


やわらかな棘

2010年7月発行 幻冬舎 341p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

弟が死んだその日から、私はものが食べられなくなった。勤めている花屋の店主の井上さんは、いつも休憩時間にお菓子を出してくれる。決して、私が手をつけないと知っているのに。大好きな弟が自らの命を絶った夜、私は不倫相手からの電話を待っていた(「春待ち」)。忘れられない4つの記憶を巡る連作群像劇。

【目次】(「BOOK」データベースより)

まちあわせ/ヒヨコと番長/美しい雨/春待ち

感想

   登場人物がつながっていく連作短編集。
   題名どおり 少し棘のあるお話が並びます。

   「まちあわせ」
    恋人に振られたばかりの晴美が
    高校時代の友人とまちあわせして食事に行く。
    晴美は振られた男性に対して復讐を考える・・・というお話。

   「ヒヨコと番長」
    美しい顔をもつ双子の姉妹。
    妹の奈那子は結婚したばかり。
    姉の奈津子は妹の生き方に反発し
    裕福で名門な家を飛び出して ふらふらしている。
    奈津子は何を求めて生きているのか・・・というお話。

   「美しい雨」
    母子家庭で育った亜季は
    母親と同じように ひとりで幼稚園児の娘・美雨を育てている。
    母であり 娘でもある 亜季の心のゆれ動きと
    美雨の 自分はなんだかうまくいかない、というもどかしい思いが
    交互に語られるお話。

   「春待ち」
    将来 医者になることを期待されていて
    大学受験に失敗した弟が 自殺した時
    姉の早瀬は 不倫相手との恋愛に夢中だった。
    弟の死の後 彼女は物が食べられなくなり
    仕事を花屋にかわり・・・というお話。

   先日読んだ『彼女のしあわせ』でもそうでしたが
   朝比奈さんは 女性の気持ちを書くのがうまいなー。
   ちょっと危なっかしい女性たちが
   今を見つめ 過去を振り返り
   そして 自分を取り戻すお話4編でした。


彼女のしあわせ  朝比奈あすか ☆ 


彼女のしあわせ

2010年5月発行 光文社 247p

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

女に生まれたことは、不幸だろうか。長女─独りで死ぬと決めてマンションを買った。次女─幼い娘を部屋に閉じ込めてブログを書く。三女─姉たちに話せない秘密を抱えて結婚した。母─姑の召使として生きてきた。女の幸せを問う、三姉妹と母親の物語。

感想

   長女・征子。36歳。
   美人でしっかりもの。
   独身でデパートで働き成功しているワーキングウーマン。
   55平米のマンションを買う。
   恋人はいまはなし。

   次女・月子。33歳。
   メーカー勤務の男性と結婚した専業主婦。
   だんなの転勤に伴い田舎に引越し。
   3歳の女の子がいるけれど
   子供そっちのけで ブログ書き込みに熱中。
   
   三女・凪子。27歳。
   私立高校教師の男性と結婚。
   結婚に際して ひとつ障害があり
   心より現在の幸せを楽しめていない。

   母・佐喜子。62歳。
   ずっと専業主婦でダンナについてきたけれど
   最近 そのダンナが鼻につくようになり
   プチ家出を繰り返している。

   違う立場にいる4人の女性が
   いろいろな出来事を通して
   それぞれの幸せを再認識する
   ひとりひとりが主人公となっている連作短編集。
   
   しあわせは 本当に人それぞれ。
   
   なんだか 身につまされる話もあり そうそう、と思ったり
   また 自分とは違う立場の女性についても
   そういうこともあるんだろうなぁ、と素直に共感できました。
   
   4人の女性が前向きになって終わっていたこともあり
   読後感のよい短編集。
   ラストに載せられている凪子から月子への手紙が
   あたたかくて とても伝わってくるものがありました。